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広島、今季の開幕ダッシュは不可能? 3連覇の“ツケ”が足かせか、紅白戦で不安要素が噴出

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 6月19日の開幕戦まで「再調整」できるかどうか…。強い信頼を寄せていたリリーバーが大炎上してしまった。佐々岡真司監督は「勝利の方程式」を考え直さなければならなくなった。

 クローザーでの起用が予定されていた広島カープのヘロニモ・フランスア投手が紅白戦で1回被安打5失点5と打ち込まれた(5月30日)。試合後、佐々岡監督は「打たれたのは高めの球。高めでファウルや空振りが取れないと厳しい」と冷静に分析していたが、当のフランスアは、

「自信を持って投げたんだけど、苦しかった」

 と、下を向いた。新型コロナ禍で練習時間も限られていた。調整の失敗と言っていい。
 
 「クローザーは中崎翔太か、フランスアのどちらかと目されていました。中崎は昨年11月に右ヒザ半月板の部分除去手術を受けており、無理をさせられません」(プロ野球解説者)

 中崎、フランスアの両リリーバーが“強い広島”を支えてきた。昨季はBクラスに沈み、V奪回を果たすには両リリーバーの活躍が不可欠だった。しかし、こんな見方もされていた。

 「勤続疲労、投げ過ぎです。特に中崎はクローザーに定着した2015年以降、毎年約60試合に投げてきました。昨季は不振で36試合にしか投げていませんが」(ベテラン記者)

 フランスアに関しては、もう一度話し合う必要もありそうだ。

 ドミニカ共和国のカープアカデミー、育成選手を経て、18年に支配下登録を勝ち取った経歴は今さらだが、元々は“先発投手”だった。支配下登録された18年3月、当時の緒方孝市監督が150キロを超す剛球にほれ込み、リリーバーとなった。

 「18年の契約更改でも、先発転向を訴えていました。でも、左であれだけの剛速球を投げられるピッチャーは貴重です。緒方監督がフランスアのリリーフ起用にこだわったのも分かる気がします」(前出・同)
 
 そのフランスアも18年は47試合、昨季も67試合に登板している。登板過多の疲労が、空振りを奪っていた高めの直球のキレを喪失させたのではないだろうか。

 「佐々岡監督もフランスアの先発転向の希望は知っているはず。ただ、塹江、アドゥワ、高橋など生え抜きの若手も先発で育てなければならず、チーム内の優先順位みたいなものもあるのかもしれませんね」(前出・同)

 先発転向の希望を持つフランスアときちんと話し合わなかったのもそうだが、優勝争いを続けていく中で、広島のリリーバーたちは想像以上に疲弊しているのかもしれない。これは、前政権の負の遺産とも言えそうだ。

 ペナントレース序盤戦は失点覚悟で、中崎、フランスアを使い、2人の復調を待つものと思われる。今季は試合数が減るため、開幕ダッシュが優勝の近道となる。佐々岡カープは厳しい幕開けとなるかもしれない。(スポーツライター・飯山満)

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