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プロ野球開幕 選手・スタッフ「抗体検査」の危険すぎる賭け

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提供:週刊実話

 少々強引な、「危険な賭け」に出なければならないほど追い詰められている?

 早ければ6月19日の開幕を目指している日本野球機構(NPB)。球界が何より恐れているのが、プロ野球に興味のない層で構成され、外出自粛や営業自粛に応じない人や組織に対して私的な取り締まりを行う「自粛ポリス」の動きだ。

 今夏の全国高校野球選手権(甲子園)の中止が決定したことで、「なぜプロ野球だけ特別なのか。自粛すべきだ」、「東京や大阪、北海道は緊急事態宣言が解除されていない。選手の移動は新たな感染拡大の火種になる」といったネットの書き込みを内閣官房が注視しており、対策が急務になっている。

 しかし、そんな悠長なことを言っていられないのが、今のプロ野球界。これまでなら、球団が20億円程度の赤字を出しても親会社が補填してくれたが、親会社自体が’08年のリーマンショック、’11年の東日本大震災を遥かに超える打撃を受けており、球団の面倒をみるどころの話ではないのだ。

 2021年3月期の決算予想は、日本中の企業が目を覆いたくなる数字が並ぶ。あのトヨタでさえ、8割減収。過去最高収益を記録した前期から一転、新型コロナウイルスの影響で5000億円の黒字を確保するのがやっと。

「球団の親会社も深刻。孫正義氏率いるソフトバンクは実に1兆4000億円(1〜3月期)、“巣ごもり需要”でネット通販が伸びている楽天も携帯事業の先行投資が響き240億円(同)の赤字。DeNAもゲームのヒット作が出ず、491億円の赤字だった。IT御三家ですら青息吐息。12球団の親会社は、いずれも球団支援まで手が回らない」(スポーツ紙デスク)

 5月12日にオンラインで開かれたプロ野球の臨時オーナー会議でも「プロ野球を持続していくためには、どういった取り組みが必要か」がメーンテーマだった。

 議長として記者会見に臨んだDeNA・南場智子オーナーは「減収のインパクトは大きく、かつてない危機と言える状況。選手年俸の支払いは、共有した問題で、親会社の補填で成り立つのではなく、球団単独で安定している状況を維持することが重要」と危機感を隠さない。試合のチケット収入や試合放映料、飲食収入などで日銭を稼ぐ「現金商売」の必要性を強調した。

 会議では、開幕日を6月中旬から下旬を目指すことを確認。6月19日を第1候補に26日、7月3日の公式戦開幕案をまとめた。

「スポーツメディアでは、『ネット中継中心の無観客試合で実施』が一人歩きしているが、既に各球団とも30億円程度の売り上げ減が出ており、無観客試合はそう長く続けられない。1試合のチケット収入(年間指定席分を含む)と売店収益は1億円ほどあり、観客を入れないことには、選手の高額な年俸(25〜65億円)は支払えない」(同)

 人気チームほど総年俸が高く、危機感を募らせているのだ。

 そこで観客を入れる「安全の証」として浮上したのが、新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査だ。ウイルスを排除するために体内に作られる抗体の有無を調べるもので、精度ではPCR検査に劣るものの、15分ほどで診断できる。

「ドイツでは、世界の主要スポーツの先陣を切って5月16日にサッカー・ブンデスリーガの1部、2部リーグを再開させたが、これができたのはメルケル首相の強い指導力があればこそ。全選手とスタッフにPCR検査を受けさせ、今後も1週間に2回のペースで実施するという徹底ぶり。しかし、日本ではPCR検査は希望してできるものではなく、医療制度的にも実施が難しい。その点、抗体検査なら1日20万件でき、今後、さらに増える見通し。保健所に頼らなくとも医療関係者なら扱えるし、費用も1000円未満。個人情報も守れる」(NPB関係者)

 ソフトバンクの孫オーナーは、すでに抗体検査キットを独自のルートで調達したことを自身のツイッターでつぶやいている。

「200万個を手配し、医療機関向けに利益抜きで販売するとともに、同社社員や家族、ソフトバンクホークスなどのグループ会社も対象とする方針だという。プロ野球から要請があれば、実施までそう時間はかからないだろう」(同)

 プロ野球が開幕日を3パターン設けたのも、抗体検査の結果に備えて流動的に対処するのが狙いだ。一方で、一軍公式戦に出場可能な「出場選手登録」を現行の29人から特例として40人程度に増やす案も検討されている。

「ブンデスリーガでは、陽性反応が出た選手は2週間ほどホテルなどに隔離し、その後、検査を行い出場を判断する。日本のプロ野球もこれに準ずることが予想され、一、二軍の選手の入れ替えは頻繁になるだろう」(前出・デスク)

 大相撲では、5月13日に28歳の三段目力士、勝武士(高田川部屋)が新型コロナウイルス感染で死去したことを受けて、希望する協会員全員を対象に実施することを決めている。プロ野球もこれに続くわけだが、どちらも真剣に新型コロナウイルス対策に取り組んでいることを国民にアピールする狙いもある。これで自粛ポリスの批判の声をかわせるなら手っ取り早い“良手”だが、野球は支配下登録選手だけで804人。球団スタッフも含めれば、約2倍に膨れ上がる。選手の陽性が判明した場合、収拾がつかなくなる可能性も…。

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