「各局ともに人気のバラエティー、ドラマを抱えていますから、今のところはそれでなんとかやりくりしています。人気ドラマの中には、放送時間帯にしては驚きの視聴率を稼ぎ出す作品も。ただ、それだと、CMスポンサー筋はあまりいい顔をしないので、次第に東日本大震災の時のようにAC(公共広告機構)のCMで埋めるしかなくなっています」(広告代理店関係者)
再放送の番組でプログラムを編成するとしても、会社で編集作業を行うことになるが、徐々にそれも難しい状況を迎えているのだ。
「各局、社員たちにテレワークを推奨。生のニュース・情報番組の出演者以外はなるべく局内に立ち入らないような体制が敷かれています。さすがに、自宅に編集する機材を持ち込めるはずもなく、会社での作業が必要ですが、となると、どうしても空いた枠を埋めるのが追いつかなくなってしまいます」(テレビ局関係者)
フジテレビ系の「SUITS/スーツ2」、テレビ朝日系の「特捜9」、日本テレビ系の「美食探偵 明智五郎」など何本かのドラマは予定通りスタートしたものの、いつコロナの影響で撮影が中断しドラマの最新話を放送できなくなるか予断を許さない状況。そうなると、これまでではあり得ないことが起こるかもしれないという。
「緊急事態宣言による外出自粛要請を受け在宅率が高まっている。そのため、通販番組やネット通販は売り上げを伸ばしている。今後、まさかという時間帯に、深夜にBSで放送されているような通販番組が民放キー局で流れることになるかもしれない」(同)
テレビ各局がこの苦境をどう乗り越えるかが注目される。