特に驚きの声が上がったのは、テレビ東京の対応だろう。テレ東は大ニュースが起きても、余程のことがない限り通常放送を流すことで知られる。今回も、番組表通りに当初は『ありえへん∞世界』の予告が流れるも、19時から行われた安倍晋三首相の記者会見が池上彰氏の解説付きで急遽放送された。その後、通常放送へ戻っている。これには「さすがにテレ東まで差し替えなら、まさに『緊急事態』なのでは」「これはヤバイやつじゃね」「池上さんどんだけ迅速なんだ」といった声が聞かれた。
ただ、ネット上では各局が報道特番への差し替えを発表する中で、「小池百合子東京都知事の緊急会見レベルの内容だったら要らない」「余計に危機感を煽るだけだと思う」「と言うか、緊急特番でスタッフ大量に動員してコロナ蔓延したらどうするの」といった非難、ツッコミが見られた。一方で、「緊急事態だから仕方ない」「気を引き締める意味合いもあると思う」といった肯定的な意見も見られ、賛否両論であった。
もっとも大胆な特別編成を組んだのは、日本テレビだった。『有吉の壁明日は初回2時間SP! 未公開の壁』『幸せ!ボンビーガール 2時間SP』の2番組を休止し、前半を『news every.特別版』、後半を『news zero特別版』として、前後の通常の報道番組と合わせ8時間の放送となった。『有吉の壁』は、若手中堅が出演する番組として有吉も気合を入れていた番組だっただけに、期待した視聴者も多かったようだ。TBS系も、『出川哲朗の恥の王様〜恥の数だけ人生は豊かになる〜』(TBS系)が差し替えとなった。こちらも「こういう時期だからこそ、出川で笑ってほっこりしたい」といった声が聞かれた。
このほか、テレビ朝日系は『林修の今でしょ!講座』が差し替えとなり、後番組の『報道ステーション』の放送時間が約1時間前倒しとなった。フジテレビ系は『今夜はナゾトレ』『潜在能力テスト』の2番組が休止となり、特番が組まれた。
やはり、ゴールデンタイムにあたる19時台~21時台が報道特番に差し替えられたことに、不満を抱いた視聴者が多いようだ。