「ノックなどの本格的な練習が始まる前にキャッチボールをしますよね。そのキャッチボールは『5分で切り替えろ』と、佐々木に指示していました。キャンプ序盤の様子を見て、その時間を8分まで延ばして大丈夫そうだと判断されました」(球界関係者)
キャッチボールが5分…。プロアスリートのウォーミングアップとしては物足りないくらいだが、首脳陣は心配そうに見守っていたという。
投手出身のプロ野球解説者がキャンプにおける肩の作り方を教えてくれた。
「キャンプ序盤から前半に掛けて、一度大量な投げ込みをします。200球以上投げる日を設けるんです。そこで、肩周辺の筋肉がパンパンに腫れ上がってくる感じになり、その翌日以降も100球前後の投げ込みをします。痛みはあります。でも、そういう無理をする時期が作らないと、肩周辺の筋肉は強くならないので」
故障とは違う筋肉の痛み、そんな風に自分を追い込んでペナントレースの長丁場を戦う筋肉を作り上げていくのだという。
こういう話を聞かされると、佐々木のキャッチボール時間が延長された程度では、佐々木の体はもっと鍛え上げていかなければならないことが多いようだ。
しかし、上方修正とはキャッチボールの時間延長のことだけではなかった。
「基礎体力を作るため、走り込みや下半身に負荷を掛ける運動をやっています。そこで分かったのは、佐々木の筋肉は柔らかく、関節の稼働域も大きいということ。疲れやすい体質のようですが、回復も早い」(前出・球界関係者)
千葉ロッテの一軍は2月14日にキャンプ地・石垣島を離れ、沖縄本島に移動するスケジュールだ。そこで対外試合をこなしていく予定で、試合出場のない選手は球場施設を使って練習をするつもりでいた。
佐々木は石垣島(二軍)に残し、体力強化を続けさせる予定だったが、もう少しの間、一軍に帯同させることになったのだ。
「一軍選手が試合前にどんな練習をしているのか、なせ、その練習をやってから試合に臨むのかを教えるためです。練習時間は短くなりますが、飲み込みも早いので、ひとまず経験させるべきと決まりました」(前出・同)
オトナの一軍選手の中に入っても動じないハート、そして、一軍の打球の速さをベンチから見せておこうという狙いだ。
「13日のブルペン投球次第ですが、疲れが溜まっていないようなら、顔見せ程度ですが、テスト登板も井口監督の視野に入っています」(スポーツ紙記者)
テスト登板とは言え、実現すれば、ファンは大喜びするだろう。その結果次第では、未完成でも「実戦登板」が育成プログラムに加わるかもしれない。(スポーツライター・飯山満)