ある調教師は、JRAの甘い体質をこう非難する。「賞味期限を偽造して販売した“白い恋人”チョコレート事件と同じ。灰色の馬を出走させて公正競馬といえるのか。こんな疑惑にまみれた馬券をファンは買わないですよ」
それにしても、なぜ勇気ある撤退をしなかったのか。ファンの中央競馬に対する不信感を増幅させた責任は重い。JRAは非難の集中砲火にさらされるだろう。
売り上げ至上主義が最悪の結末を招いてしまった。本紙既報通り、馬インフルエンザ騒動が完全に収束し、平常開催に戻るまでどのぐらいの期間がかかるのか、まったく見通しは立っていない。
ここに至って、JRAの釈明会見を聞いてもただただ空しさが募るばかりだ。
(写真=トレセンの各門には感染拡大を防止するため、消毒用のマットが敷かれている=17日、栗東トレセン)