昨年暮れの愛知杯では、重賞初挑戦ながら0秒3差5着と善戦。年明け2戦目の中山牝馬Sでも、軽ハンデを生かして0秒1差2着に食い込んでいる。いずれもメンバー最速の鋭脚を繰り出し、地力アップを印象づけた。そして、前走・福島牝馬Sで待望の初重賞制覇。「小回りを意識して早めの競馬になった分、いつもほどの手応えではなかったけど、最後までしっかり伸びたのは力がついた証拠」と国枝師は愛馬の充実ぶりに目を細めている。
今回は中2週と間隔が詰まっているだけに、中間はプールを中心に調整し、馬体の維持に努めてきた。とはいえ、「以前ほど使い減りしなくなったし、ここにきてだいぶ肉体的にしっかりしてきたからね」と師はデキに太鼓判を押す。その言葉通り、11日の1週前追いでは坂路を軽快なフットワークで駆け上がり、調子の良さを見せつけた。
「コンスタントに力を発揮できるようになってきた。ベストは千八だが、脚質的に東京のマイルは合うはずだから楽しみ」
マツリダゴッホをグランプリホースへ導いた敏腕トレーナーが、今度はカンナを“女王”へエスコートする。