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出川哲朗が「嫌われ芸人」だった理由 クロちゃん的ポジションだった?

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出川哲朗

 出川哲朗と言えば、好感度の高いおじさん人気芸人として知られる。冠番組である『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京系)は好調であるし、「ニチガス」ほか各種CMにも引っ張りだこである。

 出川はかつては嫌われ者芸人の代表格だった。出川の評価が変わったのは、2007年スタートの人気番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)への出演を始めてからである。この番組は、盟友であるウッチャンナンチャンの内村光良がMCを務めており、中年ながら体を張る従来のキャラクターに加え、デタラメながら無理やり意思疎通を図る「出川イングリッシュ」など、ユーモアのあるキャラクター話題になった。さらに、かつてより太った体型も、マスコット的なかわいらしさとして受け入れられたと言える。

 だが、90年代の出川は違った。出川はもともとお笑い芸人ではなく、俳優志望であり、専門学校時代の友人であるウッチャンナンチャンらと立ち上げた劇団SHA.LA.LAの座長を務めていた。ウンナンの知り合いとして彼らの番組に出演していたが、この当時はあくまで本業は役者というプライドがあったという。だが、カッコつけている割に、実態はヘタレであり、バラエティでのポジションは、とにかくアツくて空回りをする男といった役回りであった。ある時、ジェットコースターに乗ったリアクションをダウンタウンの松本人志が面白がり、イジられ役としてバラエティ番組への露出が増えていった。その後、『進め! 電波少年』(日本テレビ系)の特別版である『電波少年INTERENATIONAL』の常連出演者ともなり、海外のゲイバーに突入、アマゾンで裸で川に入り人食いピラニアと対決、といった危険な企画に挑んで行く。

 その際に発する「ヤバいよ、ヤバイよ」のフレーズは松村邦洋はじめ、出川モノマネの定番となる。この独特のダミ声としゃべり方がとにかくうるさいということで、出川は嫌われてしまった。

 追い込まれてテンパる様が面白がられていたのは、今で言うならば安田大サーカスのクロちゃん的ポジションであったと言えるかもしれない。そんな彼がいつの間にか好感度抜群になってしまったのは、驚きの変化とも言えそうだ。

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