一方、巨人の親会社である読売新聞社は未明に記事への反論文を公表。朝日が報じた6選手は、いずれも緩やかな目安だった時期の入団であることから、巨人軍では「球界のルールに反しておらず、税務申告も適正に行っており、社会的に非難されるものではない」としている。読売側の言い分は、新人選手の契約金に上限を設けられ、契約金額は1億円、出来高払いは契約金の50%を上限とすることが決まったのは、2007年11月であり、それ以前に契約した選手を“蒸し返す”のはいかがなものかという態度だ。両社は真っ向対立し、全面戦争の様相を呈してきたが、ここへきて「元巨人GMの清武英利氏が係争中である読売新聞社に仕掛けた“抗争第2ラウンド”だ」という見方も出てきた。
あるスポーツジャーナリストは語る。「当時、明大・一場の栄養費問題などで球界のウラ金問題が露呈し、2007年までにある程度のガイドラインが作られた。でも、朝日がスクープしたのはそれ以前の出来事。スクープというほどのことではない。当時の取材記者なら誰でも知っていたこと。いわば暗黙の了解だったんです。その点では朝日の記事には『何をいまさら』感がぬぐえないんです」。開幕前のこんな時期になぜ、過去の出来事を蒸し返すようなことをするのか?
前出のジャーナリストは「朝日、読売(巨人軍)のどちらの肩も持つつもりはないが…」と前置きした上で「朝日の記事に着目する点は、各選手の詳細なウラ契約の金額です。この数字を把握しているのは読売の中でもごく上層部でしかないはず。だとすると昨年、巨人の渡辺オーナー批判を一席ぶって巨人をクビになり、訴訟沙汰となっている清武氏に真っ先に疑惑の目が向かうというもの。来月裁判を控えている清武氏が読売側になんらかの“ブラフ”をかけているのではないでしょうか」。読売内でも「あの記事はあの人のリーク以外考えられない」ともっぱらだとか。
あす以降、スポーツ紙などのマスコミがこの報道に追随するか黙殺するか現時点では定かではないが、報道次第ではウラにいる人物をいぶり出すことになるかもしれない。