百舌鳥・古市古墳群は2つの地域に分かれた45件49基の古墳群を指し、日本最大の古墳、大仙陵古墳を始め、古墳時代の埋葬の伝統と社会・政治的構造を証明するもので、顕著な普遍的価値を備えていると判断され、ユネスコの諮問機関イコモス(ICOMOS)も「(世界遺産一覧表への)記載が適当」と勧告した。
さて、古墳といえば、誰もが思い浮かべるのが鍵穴のような形状の前方後円墳だが、これが「宇宙人によって伝えられた物ではないか?」とする説が海外から出てきている。
問題の説は、Googleの地図アプリ、グーグル・アースの拡張機能であるグーグル・マーズにて、海外のUFOファンが火星地表上に前方後円墳に酷似した地形を発見した事に始まる。グーグル・マーズで6°3'57.07"N 92°4'13.22"Eの座標の位置を確認すると、いくらか風化や浸食を受けたように見える、前方後円墳らしき岩山の姿が確認できるのだ。なお、この岩山と大きさや形が酷似した古墳が、埼玉県のさきたま古墳群にも存在している。
到底、人に築ける規模に思えないため、宇宙人が古代人に知恵を授けて作製したのではないかと想像させたのではないだろうか。玄室内に奇妙な模様が描かれている古墳が存在する点も、宇宙へのメッセージを送っているのではないか、という解釈に結びつける事もできる。
…という事で「古墳は宇宙人が作った?」という説が出たようだが、世界に目をやると、割とよく見られるトンデモ説のひとつに過ぎないようだ。
(山口敏太郎)