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キャバ嬢が生まれる瞬間(6)〜おっぱいパブ嬢からキャバ嬢になった女〜

 市川美奈子(仮名・22歳)

 私は以前、おっぱいパブ嬢だった。キャバクラで働くなんて絶対無理だと思ってたから…。私以外にもそう考えているおっぱいパブ嬢は多いかもしれない。トークスキルの問題でキャバクラでやっていく自信がなく、かといってすべてをさらけ出してソープで働く覚悟もない。そんな中途半端な立ち位置のまま、とりあえず生活のために働いているのがおっぱいパブ嬢だったりするんだよね。だから他の水商売の子に比べても精神的に不安定な子が多い。

 おっぱいパブの店長から以前聞いたんだけど、彼が昔管理してた女子寮では自ら命を絶ってしまう嬢も少なくなかったみたい。若い時はよくても、年齢を重ねていくうちに、病んでいくのだそう。結婚の機会もなく、定職に付いているわけでもない。明確な目標を持たず、そんな状態のまま薄暗い部屋でお客に性的なサービスを続けていると、自分はここでなにをやっているんだろうという気持ちになっていくみたい。

 私だって将来、そうならないとも限らない。だから最近、仕事をおっぱいパブからキャバクラに変えた。キャバクラへ変えたところで同じ水商売。結局何も変わらないかもしれない。でも何か一歩でもいいから行動して、自分を変えたかった。お金に関してもおっぱいパブは、脱いで触らせる分、一定のお給料は確保できる。でもキャバクラは延長や同伴なんかを考えたらキャバの方がトータル的には稼げると思うし、おっぱいパブの時に培ったトークで今は自信もある。

 体を触らせるのがメインのおっぱいパブと、トークがメインのキャバクラでは、客に対するアピールもまったく違うから簡単にはいかない。でも前職の経験が役立つと思う瞬間は、キャバクラでのセクハラに対して、まったく怯まずに接客できるということ。だっておっぱいパブ時代は乳首まで吸われていたわけだから。体を軽く触られるぐらいなんとも思わないよ。ほかにも色々な面で、気持ちが軽くなって、わりと精神は安定しているかも。

 今はまだおっぱいパブの時の方が給料はいい。でもいつかキャバクラで、多くの指名をとって以前よりたくさんのお給料を貰う。今はそれがとりあえずの目標です。

(取材・構成/篠田エレナ)

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