今年で45回目を迎える伝統のハンデ戦は、これまで多くの波乱の歴史を刻んできた。過去10年を振り返っても人気薄が大活躍。2000年には14番人気のクラフトマンシップが勝利を飾り、周囲をアッといわせている。
だが、今年、そのジンクスに真っ向から立ち向かう古豪が存在する。叩き3戦目、復活に向け、北の大地に乗り込んできたインティライミがそれだ。
今春はここまで2戦を消化してきたが、金鯱賞6着、宝塚記念12着と期待外れの結果が続いた。今年で7歳。すでに峠を越えた感もある。しかし、インティには同世代の巨頭ディープインパクトと死闘を演じてきた自負がある。実際に05年のダービーでは、そのディープを相手に2着に食い込んだ。高齢馬の活躍が目立つ昨今、まだ終わるわけにはいかない。陣営も輝きを再び取り戻そうと躍起になっている。
「2走前は休養明けだったし、宝塚記念に関しては4角でつまずいて完全にバランスを崩してしまった」。堀助手は敗因を挙げるとともに、「この2戦は決して力負けじゃない」と言い切った。
前走後は当初、札幌記念を目標にしてきたが、復活へのキッカケがほしい陣営は、“重量級”のメンバーが集うGII戦はあえて避けた。まさに、ここはプライドを捨てて勝負を懸けてきた一戦でもある。「実績的にはここでは胸を晴れる存在だからね。そりゃ、ローカル重賞なら力が違うんじゃないの」と堀助手は胸を張る。
涼しい北海道で調整され、体調も上昇中だ。1週前追いとなった16日には、函館Wコースで5F65秒0、ラスト1F12秒4の好時計をマーク。今季3戦目にしてメンタル、フィジカル面ともにピークへと達した。堀助手も確かな手応えを感じ取っている。
「前走でも具合は良かったんだけど、今回は馬自身がかなりやる気になっている。もう7歳だし、現役生活もそれほど長くないからね。だからこそ、少しでも多くのタイトルを取らせてあげたいんだ」
復活に向けての下地は整った。あとは激戦を戦い抜いてきた意地とプライドを思い切りぶつけるだけだ。