1予はバック追い上げて新田康仁(静岡)の2着。2戦目には武田豊樹(茨城)をまくった五十嵐力(神奈川)をさらに11秒3でまくって快勝。2車単で1万5400円、3連単は兵藤一也(群馬)が3着に入って10万2770円の大穴になった。
準決は3角からインに入って兵藤をどかして失格審議になったがセーフ。これで勝運を掴んだ紫原は北日本ラインが分裂した展開もあって伏見俊昭(福島)マークから2着に食い込み獲得賞金も5868万円とランキング7位に食い込んでいる。グランプリ出場の可能性も十分だ。
追い込みだけでなくまくりの打てるのが紫原の強み。観音寺もあっさり優勝を獲ってしまいそうだ。「オールスターの井上は力を出し切っていないだけに、今回は思い切ったレースもありそう」といわれるのも紫原有利の材料の一つだ。
地元で頑張るのは香川雄介(香川・76期)。今回は渡部哲男(愛媛)、佐々木則幸(高知)と目標にこと欠かない。前回のFIで準優失敗しているが、それだけに汚名返上、気合の入ったシリーズになりそうだ。オールスターも(1)(4)(4)(4)と番手を取れば堅実な追い込み脚を披露し、まくり追い込みの渡部哲男を一次予選では軽く追い込んでいる。かつて優勝の実績もあるだけに狙い目だろう。
もう一人、三宅達也(岡山・79期)も好調だ。地元玉野のFIでは矢口啓一郎(群馬)を11秒0のまくりで沈めている。体力的に181センチ、84キロと恵まれているだけに、このところの成績は当然といえば当然。オールスターでは(1)(1)で上がったが、レースぶりをみると平原康多(埼玉)や山崎康仁(福島)が相手なら「いつでもつぶしてやる」の気迫に溢れている。大ギアの先行殺しにはギアを下げて踏み出しのタイミングを掴むことだが、三宅には山崎や平原の仕掛けを飲み込むうまさが備わっている。
さらに突っ張り、カマシ、ときにはイン粘りとなんでもやる度胸のよさも目を引く。中四国地区の戦いで地元戦だけに人気にはなるが、それなりに3連単を薄めにいけばメリットはある。観音寺バンクは直線54メートル。一宮は64メートルでカントも観音寺は一宮の34度に比べると30と浅い。コーナーが長いバンクだということを計算したい。