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サウジアラビアの10倍の原油が眠る「第7鉱区」 日本の領有権を無視する韓国・中国「ハイエナ資源戦争」(1)

 2011年に韓国で公開された『第7鉱区』というB級ホラー映画がある。SFの古典『エイリアン』に登場した「宇宙貨物船ノストロモ号」を「石油ボーリング船エクリプス号」に置き換え、大陸棚にある第7鉱区から未知の怪物が出てきて搭乗員を襲うというたわいない内容だが、日本人にはなじみの薄いこの第7鉱区も、韓国人にとっては竹島(島根県)と同等の深い意味合いがある。
 『第7鉱区』とは韓国・済州島の南から九州の西側を通り、沖縄トラフの手前まで続く海底にある膨大な資源の眠るエリア。米研究所の分析によると、第7鉱区のある周辺大陸棚全体で、天然ガスの埋蔵量は約175兆〜210兆立方フィート、原油埋蔵量は1000億バレルと推定され、実に世界最大の産油国であるサウジアラビアの10倍に上るという。1バレル=50ドルで計算した場合の経済価値は、約600兆円に達するのだ。

 まさに“資源小国”日本にとっては革命的エネルギーの宝庫だが、そこはギクシャクしたままの日韓関係のこと。一筋縄ではいかない問題を抱えている。
 「第7鉱区は竹島同様、現在の朴槿恵大統領の父である朴正煕大統領が、統治時代の1970年1月に鉱区周辺の大陸棚の領有権を宣言しています。対して日本は、共有大陸棚の等距離原則から中間線での分割を図るべきだと主張しました。当時の韓国政府は“経済援助停止カード”をちらつかせて譲歩を迫る日本側に屈し、日韓大陸棚協定('74年1月30日に日韓が署名した2つの条約の通称)を締結。さらには'87年、第7鉱区を日韓共同開発区域とする協定を締結したのです」(外務省関係筋)
 ところが'80年代後半になると、日本は「採算性がない」という理由で探査を中断し、一方、パートナーの韓国は、当時は単独で掘削する技術がなく、独自での掘削が技術的に可能となった今も、単独開発を禁止する協定内容のために作業に着手ができないというジレンマに立たされている。

 協定締結当時は、大陸棚の領有権は大陸棚が始まった国に帰属するという“自然延長説”が有力だった。しかし、1985年に国際司法裁判所(ICJ)が『リビア・マルタ大陸棚事件』で、中間線を基準にした判決を示したことから、この協定の中身は一変する。ICJの下した中間線論理では、同協定の共同開発区域が、完全に日韓中間線以南の“日本側”大陸棚に設定されてしまうのである。
 「協定の満期となる13年後の2028年以降は、日本の排他的経済水域(EEZ)に編入される可能性が高い。従って韓国側にしてみれば、石油を輸入に頼る国情から強烈な焦りとなって表れている。そのうち中国の尖閣諸島発言と同様に『日本は第7鉱区を盗んだ!』と国際社会に“告げ口”することは、ほぼ間違いないでしょう」(国内シンクタンク関係者)

 実際、韓国の経済紙『マネートゥデイ』は先ごろ、「このままでは日本のものになる」と報じ、韓国政府に“専守防衛”を促し始めた。すでに韓国政府は防衛策として、'13年8月に国連大陸棚限界委員会(CLCS)に「第7鉱区は韓国領」と訴え審議を申請しているが、CLCSは勧告することはできるが拘束力を持つ決定はできない。

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