JRの路線図に「神田」という駅を見つけ行ってみた。古本屋街はなかった。通行人に「神田の古本屋はどこですか」と尋ねた。方向にうとい性格もあり、神保町にたどり着くまでに数時間を要した。
「神田古本まつり」で有名な古書店街は、神保町とその周辺にある。住所表示は「東京都千代田区神田神保町」が正式らしい。「旧・東京市神田区」にあったため「神田の古本屋街」として有名というが、こと地名に関しては、地元住民に聞いたほうがよいかもしれない。
大学を卒業し、休日に出歩くことがなくなった。古本屋街を尋ね歩いたころの気持ちを取り戻し、健康を促進するためにも、街を歩くことにした。
まずは、神保町。日曜日に行ってみた。
【神保町交差点には、CO2濃度表示も】
地下鉄神保町駅から神保町交差点に出ると、モニュメントがあった。モニュメントには、時刻と温度のほかに「CO2・460ppm」とCO2(二酸化炭素)濃度が表示されている。これは、時計、温度計、CO2排出量測定器がついた環境測定器。神保町交差点にあるモニュメントは、太陽光で発電した電気で稼働している。地元商店会の方々が、地球環境に関心を持ってもらおうと、2008年に設置した。
【個性的なショップで足を止める】
神保町交差点の横断歩道を渡り、靖国通りを歩いた。靖国通りは、複数車線で交通量が多い。「神田古本まつり」では、この靖国通り沿い一帯に、古書のブースが並ぶ「本の回廊」が出現する。
その靖国通りを歩いていると、あるホビーショップの店頭で、足が止まった。ヨーロッパ中世の攻城戦を再現したようなジオラマが置かれていた。が、よく見ると、密集陣形を整えた騎士集団がまたがっているのはドラゴン。丘や砦に配置された歩兵・戦車・攻城兵器も、映画「ロード・オブ・ザ・リング」の世界から飛び出してきたよう。
ジオラマは、「ミニチュアバトルゲーム」の舞台と駒だった。店員の方に伺うと、「ミニチュアバトルゲーム」はサイコロや定規を使って進め、説明するためのイメージとしては将棋やダイヤモンドゲームを連想してもらうこともあるという。軍勢の司令官となったプレイヤーが自作の駒を操り、対戦するそうだ。
ホビーショップの脇には、ブルーを基調にしたおしゃれな看板が。ホビーショップの2階は、現代美術を基調に内装されたギャラリーカフェ。夜は、店内が青い明かりでライトアップされる。窓際にある仕切り席から夜景を眺めながらカクテルを飲むこともできる。
【やはり古書、ガレージセールがにぎわう】
日曜日のためか、シャッターを下ろしている書店もあるが、神保町といえば、やはり、本。靖国通りから脇を見ると、ガレージを利用した古本セールが開催されていた。貼り紙を見ると、定期開催されているようだ。100円などの均一料金もわかりやすい。
ガレージセールでは、道行く人々が次々と足を止め、古本の山に手を伸ばしていた。(つづく/竹内みちまろ)