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阪神JF(JpnI、阪神芝1600メートル、14日) 特捜班はルシュクルを指名

 大穴のキーワードはふたつ。毎年、ひと筋縄ではいかない「第60回阪神JF」(GI、阪神芝1600メートル、14日)だが、活躍が目立つのは外国人騎手と厩舎のGI初勝利だ。その2つにぴったり該当するのがルシュクル。ここを目標にデキは絶好。前走のファンタジーSは消極的な騎乗で5着に敗れたが、今回は鞍上をデムーロ騎手にスイッチ。ジャパンCでアッといわせた手綱さばきに注目だ。

 キャリアの浅い2歳、しかも繊細な牝馬の一戦だけに、順当には収まらない阪神JF。しかし、穴馬を導き出す見逃せないファクターが2つある。
 外国人騎手の活躍と、このレースでGI初勝利を挙げた厩舎が多いこと。その両方に当てはまりそうなのがルシュクルだ。
 特捜班はさっそく中竹厩舎に向かった。この厩舎は99年に開業してから順調に勝ち鞍を伸ばし、今年も26勝で全国リーディング25位と健闘している。だが、GI勝ちはまだない。97年の宮、99年の池添、00年の西浦、01年の西園、そして05年の五十嵐と新進厩舎のGI初勝利が目立つだけに、今年は中竹厩舎が実に怪しい。

 「1週前にビッシリやって、7日の日曜にもサッとやった。今週は併せ馬でまたビッシリ。牝馬だけど、カイバ食いがいいから思うようにやれる。GIに向けて悔いのない仕上げだよ」と番頭格の白倉助手はそう言って、笑みを浮かべた。
 夏の北海道で新馬とオープン特別を快勝。素質の高さを示した。前走のファンタジーSこそ5着に敗れたが、収穫も多かったという。
 「初の輸送競馬でも、思ったほど体が減らなかった。精神面でたくましい面を見せてくれた。5着に負けたといっても、差は0秒3。それに、乗り役が折り合いを欠いた函館2歳Sと距離延長を気にして、後ろに構えすぎた。勝ち馬とは位置取りの差でしょう」
 痛恨の消極騎乗。そのため、今回は鞍上を名手デムーロにスイッチした。ジャパンCで人気薄のスクリーンヒーローをVに導いた手綱さばきは記憶に新しい。

 このレースは99年のヤマカツスズランがキネーン、01年のタムロチェリーがペリエと外国人騎手の活躍が目立ち、どちらも厩舎にとって開業初のGI勝利だった。
 ルシュクルに漂う穴の気配。「すんなり回ってくれば、ここでも好勝負になるはずだし、勢いのあるデムーロならなお楽しみだよね。この馬の母は日本に入ってこないようなすごい血統馬(アンブライドルズソングの妹)。素質は並大抵じゃない」

 データだけではない。秘めた能力にも一票を投じる値打ちがある。

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