“亀田狂騒曲”が鳴りやまない。
亀田ジムはこの日、コロンビアで開かれているWBAの総会でデンカオセーンと大毅の再戦が承認されたと発表。来年1月か2月を予定しているという。
大毅は「デンカオセーン選手と再戦できる機会を与えて頂いて感謝しています。前回の試合では自分の力を半分も出せなかった。自分も悔しかったけど、家族にも悔しい思いをさせてしまった。自分にとっては三度目の世界挑戦。家族や応援してくれる人のためにも三度目の正直で必ず世界を獲りたいと思います。」とコメントした。
フライ級の挑戦権争奪戦は、日本人3選手によって繰り広げられていた。10月のタイトルマッチの判定を不服とした亀田陣営が、WBAに再戦を要請。続いて5月にタイで挑戦した久高寛之陣営も同様の書類を提出した。 そして、協栄ジムの金平桂一郎会長はタイに渡り、王者のマネージャーを務めるギャラクシープロモーションの二ワット氏と交渉し、前王者の坂田健史との再戦に合意していた。
当初、本命と見られていた坂田がまさかの“落選”。金平会長は「(日本ボクシンぐコミッションの)安河内事務局長が帰国後、事情を聞いてから今後の対応をしたいと思います」と静観する姿勢をみせたが、これは一体どういうことなのか。
関係者の話を総合すると、今回のWBA総会で決定した事項はこうだ。「王者デンカオセーンの次戦は『選択試合』として行われ、亀田ジムも交渉が可能になった。一方、坂田はフライ級の世界ランキングから外れていたため承認されなかった」
「ただし、交渉が合意に達していたため、選択試合の勝者は、90日以内に『指名試合』として坂田と対戦することを義務づけた」
混とんとするフライ級戦線にWBAから裁定が下されたが、どうやらすんなりと終わりそうもない。
“第3の男”久高陣営がこのまま黙っていないからだ。陣営関係者は、二ワット氏との交渉継続を明言した上で次のように語った。
「今回の決定で久高のチャンスが無くなったわけではありません。金平会長には大変お世話になっています。これから相談していきたいと思いますが、坂田選手は1試合フライ級での試合が必要なので、久高VSデンカオセーンのタイトルマッチと坂田選手の試合を同日開催して、すぐタイトル戦ができるように交渉するのもありかなと」
どうやら、WBAが今回の評決を下したことで坂田&久高VS亀田というはっきりとした対立構造が生じた。挑戦者争奪戦が加熱することは避けられそうもない。