ヒザの外傷でデビューが遅れたが、「大したことがなくてよかった。先週も速いところをやっているので大丈夫」(矢野進師)と出走態勢は整っている。母から受け継いだ気性の激しさがネックだが、「千ならそれがいい方に向くんじゃないか。二の脚は速いし、いい素質を持っている」と意に介していない。
同厩舎は今年の2歳戦ですでに2勝(エフティマイア、コスモビット)。その勢いに乗じて同馬も初陣を飾るか。
4日目(日)の芝1400mは後藤騎手が手綱を取るスズジュピター(牡、父タニノギムレット、母ジュピターズジャズ=美浦・高橋裕厩舎)の評価が高い。
18日は併走馬に遅れたものの、坂路800m51秒7の好時計を計時。高橋裕師は「相手(チャッティーギャル)は動くからね。血統的に期待は大きいし、手応えもある」と素質の高さにゾッコンの様子だ。
<小倉>3日目(土)の芝1200m戦での勝ち上がりを狙うのがオペラセリア(父テイエムオペラオー、母プリティタイディ)だ。すでに先週の芝1200m戦をシゲルクシエラで勝利している大根田厩舎(栗東)からの第二の刺客でシゲル同等、陣営の期待は大きい。
「スピードがあるし、ゲート試験も1回でパスした。少しカリカリしているけど、むしろそういう気性だから初戦向きといえそう。牝馬同士ならチャンスだよ」と吉永助手。18日の坂路追いでは渋った馬場状態の中を半マイル53秒0で駆け上がった。初戦突破に万全の態勢だ。
また、同レースでは、ダンスウェーブ(牝、父ナリタトップロード、母ダンスミュージカル=栗東・岩元厩舎)も仕上がりの良さが目立っている。
鞍上の和田騎手は「十分に攻めを消化してきた。スタートセンスが良く、追ってからも味のあるタイプ。初戦から期待できそう」と上々の評価だ。
<函館>藤沢和厩舎(美浦)が送り出すスパークキャンドル(牡、父A.P.Indy、母Serenas Song)は、キーンランドセールで150万ドル(約1億7600万円)で落札された高級外車。母は北米GI11勝を含め、計18勝を挙げた名牝で、血統は文句なしに世界レベルだろう。
ファストロック(3歳未勝利)と併せた芝コースの最終追い切りは、ラスト1F11秒7を重心の低いフォームでマーク。「早い時期にゲートを受かって、美浦でもじっくり乗ってきた。精神面はかなり大人びていて、他の2歳とはケタ違い。血統はダート向きでも、いい格好で走るし函館の芝なら大丈夫」と藤沢和師。完成度の違いを見せつける走りが期待される。
一方、話題性では元メジャーリーガー・佐々木主浩氏がブリーズアップセールで落札(2900万円)したキャプテンマジン(牡、父キャプテンスティーヴ、母リキアイワンダー=美浦・河野厩舎)。
担当の小笠原厩務員は「体はできているが、まだ幼さが残るからね。初戦はどうかな」と慎重だが、実戦でオーナー譲りの“鋭い切れ”が見せられるか注目だ。
2頭ともに4日目(日)の芝1800mでデビューを予定している。