9日には元阪神で、BCリーグ福井ミラクルエレファンツから移籍した岩本輝投手が、12日にはメジャーリーグ、ホワイトソックス傘下3Aから獲得したドン・ローチ投手と、横浜DeNAベイスターズから伊藤光捕手、赤間謙投手とのトレードで入団した高城俊人捕手、白崎浩之内野手が入団会見を行った。
長村裕之球団本部長が「阪神時代とは違ってパワーピッチャーになっていた」と評価していた岩本は、後藤駿太、塚原頌平、山崎福也、小林慶祐、福田周平らオリックスには同級生が多い。本人は「タイガース時代よりスピードが上がっている」とセールスポイントをあげるとともに、「色々なコーチに指導していただいたことが、今自分にはまってきていると思います」とこれまで支えてくれた恩師への感謝の言葉を述べていたが、既に一緒に練習をしているという山崎福也は「とても真面目でいいやつですよ」と話していた。前半戦にフル回転した中継ぎ陣の救世主になってもらいたい。
ファンやマスコミからマリオという愛称がつけられた髭に特徴があるローチは、3Aで今シーズン16試合に登板し9勝2敗、防御率も2.65と好成績を残している。チームメイトとなるロメロら、日本で活躍している外国人選手とも交流があるそうで、今回の移籍が決まり、日本のプロ野球に関して情報収集はしっかりやっているようだ。長村本部長は「ボールのキレと多彩な変化球、精密なコントロールを武器に、先発として期待している」となかなか完投ができない先発陣として起用することを明言。ローチも「長いイニングを投げられるということ」をセールスポイントにあげて、即戦力としてチームに貢献したいとアピールしていた。外国人枠の関係からディクソンと競わせるものと思われる。
そして最後は、DeNAからトレードでやって来た高城と白崎だ。高城は6月の交流戦で京セラドーム大阪に遠征で来ており、3試合中2試合でスタメンマスクを被り、浜口遥大、今永昇太の両左腕を好リード。高城がスタメンだった試合の結果は1勝1敗に終わったが、オリックス打線がDeNAバッテリーに封じ込められた印象が強い。高城は「今年、交流戦で試合をやらせてもらって、ピッチャーが良くて、野手も勢いのあるチームだというのが印象的でした」と交流戦の時に感じたオリックスのイメージを話すと、続けて「いいピッチャーがたくさんいるので、しっかりコミュニケーションを取っていきたい」とDeNA時代はムードメーカーとしてみんなから愛されていた己のスタイルを、新天地でも貫いていく気持ちを明らかにした。長村本部長から「同じポジションの若い選手との競争になる」と言われた白崎は「僕は実績がないので、いっぱい練習してアピールして、チームの勝利に貢献したい」と力強くコメント。2人とも「優勝を狙えるチーム」という言葉を口にしており、昨年、両選手が日本シリーズを経験しているのは、今年優勝争いの射程距離に入っているオリックスにとって大きい。高城、白崎にとっても、違った形でソフトバンクにリベンジする機会が与えられたという意味では、モチベーションに繋がるのではないだろうか。
高城はポジションが被るが、若月健矢捕手をはじめ、“オリの神童”山本由伸投手ら、オリックスの選手とも交流が多いので、性格的にもチームに溶け込むまでに、時間はかからないだろう。白崎も吹っ切れた明るい表情を見せていたことから、ドラフト1位として眠っている才能が新天地で開花することを期待したい。
なお、背番号は高城が22、白崎が2、ローチが42、岩本が91となった。
取材・文・写真 / どら増田