武蔵は26日、都内で会見を開き「7月くらいからどこかでケジメをつけないと思い始め、7月末に自分の心の中で引退を決意しました」と告白。最後の舞台として、9月26日に韓国・ソウルで開催されるワールドGP開幕戦出場を熱望した。
武蔵は昨年の大晦日以来試合を行っていないが、コンディション調整に努めた結果、負傷していた股関節と左鎖骨は完治。「体調はベストで、今なら日本人がまだ成しえていないGP優勝を叶えられる」と言い切る。
しかし、今年のワールドGP予選大会に出場しておらず、昨年のベスト8に入っていない武蔵に出場権はない。とはいえ可能性はゼロではない。出場枠は残り3つ。推薦枠が設けられており、ホームページのファン投票の結果で3位以内に入れば、出場も可能となってくる。
K-1デビューから14年。K-1を創成期から支え続けた男は、実に84戦もの戦績を誇る。体格と体力に勝る外国人選手が主体のヘビー級戦線の中にあって、武蔵は長年、世界とわたりあえる唯一の日本人ファイターとして孤軍奮闘。ワールドGPは2度準優勝しており、武蔵なくしていまのK-1を語ることはできない。
谷川イベントプロデューサー(EP)は、現在の武蔵のファン投票の順位が10位前後であることを明かし、「個人的には功労者の武蔵に最後のチャンスを与えてあげたい」と発言。しかし、EPという立場から「アンケート結果を受けて客観的な判断をしたい」と武蔵を特別扱いしないスタンスを明確にした。
また、谷川EPは武蔵がワールドGPにエントリーされなかった場合は「来年引退試合を組みたい」と語る。しかし、武蔵は「次はない。GPにかける」と不退転の決意を示しており、推薦枠から漏れた場合は、試合をせずにそのまま引退という可能性が強まる。投票の締め切りは28日。武蔵の運命はファンに委ねられた。