尾畠さん(79)は昨年8月、山口県で行方不明になっていた男児を救助したことで有名になったボランティア活動家だ。65歳で退職してから残りの人生を「恩を返すためボランティアに生きる」と決意。数多くの被災地を回りボランティア活動を続け、その功績からスーパーボランティアと呼ばれるようになった。
放送では、尾畠さんが1月18日に都内の中学校で講演した後「世界のこどもたちの幸福をねがう旅」として大分の自宅まで徒歩で帰宅する挑戦をスタートさせたが、一目見ようと集まりすぎた野次馬の影響で旅を断念したという経緯を説明。
自宅に戻った尾畠さんへのインタビューでは「車がどんどん来て動きが取れなくなって、こりゃ事故が起こるなと思っていたんですよ」と、車から人、自転車と野次馬が集まり、非常に危険な状態にあったと伝えた。
さらに「来てくれるみなさんに事故がなければいいなって、そればっかり思い続けてきたから。みなさんからの励ましの言葉をいただいたのに途中でやめて逃げ帰ったみたいになったけど、本当に申しわけないなって気持ちでいっぱいです」と涙ながらに語った。
この報道を受けMCの小倉智昭は「別に悪いことをしたわけじゃないんで謝る必要はないと思うんですが。自分の夢を叶えたかったのに有名になりすぎちゃって、周りがそうさせてくれなかった。デーブは『何で歩いたの?』とばっかり言っていましたが、ダメですか?歩いちゃ」とデーブ・スペクターに話を振った。
『何で歩いたの』というと、徒歩の旅を否定しているかのような言葉だが、デーブ・スペクターはすぐに「いや、あまりにも立派で。自分の周りにこういう真面目な人はいないから。人が集まりすぎたのは一人ひとり(の)マナーが悪いんじゃなくって。今のSNS時代にツイッターやテレビでもやってて、(人は)集まりますよ。写真も撮りたいし『頑張って』と声もかけたいし。ドローンがないだけでも良かったぐらい」と自らの発言をフォローした。
この報道を受けネットでも「見境なく車や自転車止めてサインねだりに列作って、非常に恥ずかしい」「群がる奴らは、自己中のモラル無し、単なる野次馬!ボランティア精神なんて皆無!」「なにあの大名行列。あの場所にいた人、尾畠さんの涙見てどう思う?囲んで写真撮って、なんなんだろ」と野次馬の配慮のなさに憤慨する書き込みが相次いだ。
ボランティアを懸命に頑張っている尾畠さんの夢を断念させるほど集まってしまった人だかり。どんな場合でも相手のことを考えて行動することが重要だと痛感させる事例となってしまった。