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山口敏太郎に聞いてみた!(1)占いと霊感商法の境目

 最近、テレビや雑誌で話題の「アカシックレコード」は、この宇宙のはじまりから終わりまで全てのデータが蓄積されているという。またアカシックレコードを読み取る「アカシックレコードリーダー」の中津川昴氏という不思議な占い師も人気である。この不思議な事例に関して、作家・オカルト研究家の山口敏太郎氏に聞いてみた。

 編集部(以下、編集)「最近、多くの占い師がTVや雑誌で人気者になっています。一方で数百万を騙し取った霊能者が民事訴訟で訴えられたりもしています」

 山口敏太郎(以下、山口)「そうですね。これは読売テレビの「たかじんのそこまで言って委員会」でも言ったのですが、やはりお布施の金額には常識の範囲があると思います。お寺や神社、教会にお祓いしてもらい、寄付(お布施)として、お金を出す時でも、普通は2、3万が上限ですよね。数百万という金額は常識をこえています。霊感商法として訴えられても仕方ないでしょうね」

 編集「なるほど、金額が社会通念の域をこえているか、どうかが争点なんですね。では占いは不要な存在でしょうか」

 山口「これは以前、大槻教授とも話をしたのですが“町の占いおばさん”は必要な存在だと思うんです。女の子の恋の相談相手はやはり必要ですし、占いによって救われる人もいるんです。これに関しては対談したときも大槻教授も概ね了解してくれましたね」

 編集「しかし、大槻教授は宜保愛子さんを批判しましたよね」

 山口「その経過は、教授もおっしゃってますが、宜保さんが”横浜の占いおばさん”であればあそこまで攻撃しなかったと思うんですね。しかし、晩年の宜保さんは、鑑定で巨額な金額を受け取ったりしてますよね。そうなると、もはやお布施や占いの謝礼の相場ではないでしょうね」

 編集「興味深いですね。人間社会には占いは必要ではあるが、その金額がお布施や占いの謝礼における社会通念上の相場をこえると問題があるというわけですね」

 山口「はっきり言って、まったく科学的根拠の無い占いですが、メンタルケアのシステムとして人間社会に必要なんですね。古代から連綿と人間は占いで癒されてきたし、現代においても人間は占い師の言葉で救われる可能性もあるんですね。だけど、相談者からはせいぜい数万円、お寺のお坊さんに車のお祓いしてもらったときの謝礼ぐらいに抑えないといけないですね」

 編集「占いを完全否定せず、かと言って霊感商法も許さない。お布施の相場、社会的常識の謝礼金でジャッジする。山口敏太郎らしい大岡裁きですね」

 山口「だって、国家が認めている神社・お寺のお札や祈祷だって、まったく科学的根拠は無いですよ。言わば迷信だし、霊感商法と言っても過言ではない。あのお札に科学的な裏づけがあるとは誰も思ってない。だけど厄除けとか交通安全とかでお守りを買ったりするわけです。そう思い込むことで人間の心理に及ぼす効果があるからみんななんとなく買っているのです。『科学的根拠がない。霊感商法だ!!』って言って、占いを否定する人は神社庁や全国の寺も訴えるべきですし、パワースポットをうたっている全国の自治体も訴えるべきです。そうしないと彼らの主張する『科学的根拠が無いから悪だ!』という理論と整合性がなくなってしまう」

 編集「確かに、科学的根拠がないという主張で占いを否定するならば、お寺や神社、教会、パワースポット町おこし、全てを否定しなければならない」

 山口「メンタルケアという見地から考察すると、科学的根拠がないものの、古来より続くシャーマン(占い師)という民俗学的な役割は認めざるをえない。科学的に根拠がなくても必要とされるものが人間社会にはあるんですね。でも、常識をこえた謝礼金額を要求するような人は厳しく監視していこうという“頭の柔らかい対応”が必要なのです」

 編集「懐疑派とも、否定派とも違う山口敏太郎の考え方は個性的で、大変興味深いですね」

<山口敏太郎>
66年生まれ、44歳 作家・オカルト研究家・株式会社山口敏太郎タートルカンパニー代表。放送大学大学院にて修士号取得。著作90冊、テレビ・ラジオ出演は200回を超える。
「ビートたけしの超常現象Xファイル(テレビ朝日)」「たかじんのそこまで言って委員会(読売テレビ)」「不可思議探偵団(日本テレビ)」「笑撃ワンフレーズ(TBS)」
「クマグス(TBS)」「おはスタ(テレビ東京)」「吉田照美のソコダイジナトコ(文化放送)」「怪談グランプリ2010(関西テレビ)」
超過激メルマガが話題に、山口敏太郎のメルマガ「サイバーアトランティア」
http://foomii.com/00015

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