ここでお互いのスペックをあらためて確認しておこう。山本彩は大阪・難波を中心に活動するNMB48の第一期オーディションに合格。同グループのキャプテンとしてメンバーをまとめ、バラエティではお城モノマネという斬新な芸で笑いを取り、最近ではグラビアでも注目を集めている。一方の「放課後ティータイム」は桜高軽音部の同級生4人で結成され、ギターの平沢唯、ベースの秋山澪、ドラムス田井中律、キーボードの琴吹紬が所属。後に後輩の中野梓がリズムギターとして加入し5人編成となった。
それではまず、技術面を比較したい。山本彩がリクエストアワーの会場で披露したのはアコースティックギターによる弾き語りだったが、山本はNMB48に入る前に、「MAD CATZ」という女子中学生3人組のバンドでデビューしており、エレキギター担当で、ボーカルも楽曲中にバンドメンバーとリレー方式で担当している。同じく「放課後ティータイム」の方も、ギターの唯とベースの澪が主なボーカル担当で、リレー方式の楽曲もあった。『けいおん!』の楽曲には、バンド歴数年の女子高生が演奏できるとは思えない曲もふくまれている。ただ、バンド時代の山本はカッティングを多用した演奏で、デビューしたての3人組の女子中学生バンドとは思えない演奏レベルを見せており、文化祭でしか披露していない『けいおん!』以上の技術があると見ていいだろう。
作詞・作曲能力だが、「放課後ティータイム」はピアノコンクールで賞を取った経験のある紬や、親の影響で小学校4年からギターをやっている、あずにゃんこと梓や、絶対音感を持つ主人公の唯がいるので自前で曲も作れることになっている。曲によっては高校生の作曲としては異常にレベルの高い曲も含まれている。一方の山本の方は作詞は「MAD CATZ」時代に担当した経験はあるが、作曲のレベルがどの程度かはわからない。
現時点では演奏能力は山本彩、作詞作曲能力は「放課後ティータイム」といったところだろうか。ただ、今後、山本彩は自身の夢でもあるシンガーソングライターへ向け、作詞作曲した楽曲をリリースする機会があるかもしれない。その時にあらためて、NMB48山本彩と「放課後ティータイム」の実力を検証してみたい。(斎藤雅道)