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「おぐらが斬る!」危険! 愚痴と悪口は負け犬のストレス解消法

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愚痴を言わない人は、まあ少ないのではないだろうか? 妻は夫の愚痴を近所の奥様連中にいい、サラリーマンは上司や取引先の愚痴をいうというのは、ごく普通のことだ。しかしこの愚痴が習慣化され、愚痴依存・悪口依存になるとちょっと危険だ。

愚痴の対象は、上司など自分より上の存在に対して言う場合が多い。または直接言えない相手、例えば取引先などが多い。

あるいは愚痴の対象は、自分が嫉妬する相手だったりする。嫉妬とは「妬み嫉み」のことだ。これらを第三者に喋って聞かせているのだ。

愚痴は悪口とセットである場合が多く、これら普段は言わないホンネを例え同僚とはいえ、喋るというだけでいかに危険なことであるかはお分かりだろう。愚痴や悪口が言われている本人が知る可能性は限りなく高い。

もし経営陣が取引先の愚痴を盛んに言うようになれば、その会社はあぶないと思っていい。愚痴や悪口というのは、いくら言っても、なんの問題解決にはならないのはご存じの通り。問題を解決したいなら、具体的に行動するしかない。もし経営陣が具体的な行動に出られないとしたら・・・

愚痴・悪口を言うことで、自分のストレスホルモンであるコルチゾールが増加することがわかっている。愚痴はストレス解消にならないのだ。それどころか認知症が3倍、死亡率が1.4倍も増えるという報告もある。

愚痴・悪口は、聞いている方にも悪影響がある。聞いているだけでコルチゾールが増加するのだ。つまり、愚痴や悪口をよく言う人は、自分だけではなく他人の健康をも害していることになる。

ところが愚痴や悪口を言うと、快感ホルモンであるドーパミンも放出される。愚痴や悪口は快感をともなうのだ。しかしこの快感はすぐに慣れてしまい、より頻繁に、より強い快感を求めるようになる。これを断ち切らないと依存症状態になってしまう。

愚痴や悪口を言ってスッキリしているつもりの人は、その対象が面と向かって言う事ができず、嫉妬の感情を持つ相手だとすれば、それは負け犬のストレス解消法だ。だが、これまで述べてきたように愚痴や悪口は逆にストレスをため込むことになり逆効果。

しかも愚痴や悪口の好きな人は、人に嫌われる傾向があり、健康・人間関係面でいいことはほとんどない。

愚痴とは本来仏教用語で「真理に暗く愚かで、無知によって惑わされている状態」であるそうな。

生きている限り、人は誰でも愚痴や悪口を言ってしまうもの。それは出来るだけ少なくして、愚痴・悪口をいつも言っているような人とは距離を置いた方が良さそうだ。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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