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千葉県知事選初当選、森田健作氏“ピーナッツ大使”宣言

 任期満了に伴う千葉県知事選は29日投開票され、俳優で元衆院議員の森田健作氏(59)が101万5978票を獲得して初当選した。抜群の知名度で無党派層の支持を集めた森田氏は同日深夜、本紙の単独取材に「手始めにピーナッツを売り出そうか」と宣言。宮崎産マンゴーを全国にPRした東国原英夫知事(51)に対抗し、その知名度をいかして千葉の特産品である落花生をガンガン売り込む考えを明かした。

 モリケンの熱血千葉県構想が動き始めた。
 開票から1時間もたたず午後9時前に当確が出るぶっちぎりの圧勝だった。思わず男泣きした。千葉市中央区内の選対事務所で支援者や事務所スタッフと午後11時50分まで喜びを分かち合ったモリケンは、たまたま居残っていたため記念撮影のカメラマン役を任されることになった本紙記者に「ありがとう」と笑顔で歩み寄った。マンゴーのPRで好スタートを切った宮崎県に対し、新生・千葉はまず何から売り込むか? 生産量日本一を誇る梨か落花生か、それとも漁獲高1位の伊勢エビか? モリケンは少し考えて「そうだな。手始めに落花生あたりから売り出すか」と微笑んだ。その表情はすでに千葉県政を変える意欲に満ちあふれていた。
 陣営幹部は「森田新知事には、東国原宮崎県知事の宣伝力と橋本徹大阪府知事の財政再建力の両方を持って進んでいってもらいたい。千葉の宣伝が足りないのは確か。そういう意味では森田ならば普通の知事にはできないことがある」と言外に知名度を利用した活動をにおわせた。東国原、橋本両知事によって発信力ある首長の強みが認知されたほか、衆参両院の国会議員経験による国政へのパイプもある。100万票越えはそうした千葉県民の期待の表れだろう。

 実際、一都道府県の首長選挙にもかかわらずその注目度は高い。きょう30日は早朝6時20分のTBSラジオ出演を皮切りに、テレビ・ラジオへの生出演が計18番組も続く。17日間の選挙戦を闘い抜いたモリケンの喉はつぶれ、痛々しいほどのかすれ声だ。さすがに「ちょっと休ませてくれよ」と本音も漏れたが、それでも千葉のPRのため最後の気力を振り絞って番組出演を受けた。
 スポ根テレビドラマ「おれは男だ!」の主人公でスターダムにのし上がって以来、熱血漢で鳴らす“青春の巨匠”はどこまでもアツかった。29日は早々に“当確”が出ると、事務所に押し寄せた数百人の支援者から「バンザイ」の嵐。友人である俳優京本政樹氏(50)も駆け付け、美子夫人(46)と3ショットで「ありがとう」を連発するモリケンを中心に歓喜の輪が広がった。開票を待つあいだ、風呂で自身のヒット曲「さらば涙と言おう」を久しぶりに歌ったという。
 モリケンは「中央(政界)にモノを申す、新しいかっこいい千葉県をつくっていきたい」と意気込み、事務所前の路上で合計5回も胴上げされた。2005年の千葉県知事選では約6086票差で現職堂本暁子知事に敗れながら、「また新しい青春の1ページが始まる」と異例の胴上げがあった。4年前のリベンジをきっちり果たし、うれしい胴上げとなった。
 モリケンは「ボクは現場主義。いろんなところに行って、まず現場の人に話を聞いて、それを極力政策にいかしていきたい。議会対策にしてもできることとできないことははっきり言うし、別に後援会をつくるわけじゃない。森田に投票してくれたのならば、投票責任もある。感謝するとともに『いっしょにやりましょう』と訴えたい。ボクはこれから中央にモノを申すことが多くなると思います」とイケイケモード。どこまでも突っ走りそうな勢いだった。

 森田氏が名誉監督を務める社会人野球チーム「千葉熱血MAKING」の河野和洋監督(34)は、「本当にうれしい。森田さんには試合だけでなく練習でもノックを打ってもらったりと熱血指導を受けてきた。われわれにとって森田名誉監督は、球界でいえば長嶋茂雄さんのようなあこがれの存在。忙しくなるでしょうが、それはしょうがない。これからは恩返しできるよう、地域の少年野球教室のお手伝いなどで貢献したいですね」と話した。ちなみにチームカラーは森田氏にならって「明るく元気に」だという。

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