国枝調教師は今年の最大目標を有馬記念一本に絞り、札幌記念(2着)から始動。用意周到に仕上げてきた。なにしろ、ジャパンC(4着)でさえ「有馬記念のステップレース」と位置づけたほどで、グランプリ2連覇にかける執念はすごい。
そのJC時のデキは、最終追い切りを終え、9.8点を与えていた。では、今回は?
「9.9か10点、いや、10.1かもしれない。いずれにしても、前走以上なのは間違いないよ」ときっぱりだ。
早くも昨年2着のダイワスカーレットとの一騎討ちムードに包まれている下馬評について、「競馬だからやってみないとわからないけど、お互い自分の力を出し切ればそうなるんじゃないの」と確かな自信をのぞかせた。
そして、「相手うんぬんより、ペースがカギになる」とキーポイントを指摘。「自分のリズムで走れれば自ずと結果はついてくる」と強調した。
国枝師は常々、「中山コースは、馬が競馬を知っている」と冗談交じりに話しているが、戦績を見れば誰もが納得する。有馬記念を含めて重賞5勝、<7111>と連対率は実に8割を誇る。
「今の心境? 人事を尽くして天命を待つだね」。現時点では調整過程に一点の曇りもない。
【1週前追いVTR】蛯名騎手を背に、坂路で1本ウオーミングアップを行った後、南Dコース入り。単走で追われ、6F81秒5→65秒6→51秒5→38秒4→12秒5をマークした。終始、馬任せながらも、全身を使った躍動感あふれる動きは前走時以上。直線も真一文字に伸びてきた。