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参議院議員・丸山和也を緊急インタビュー 「俺はこう思う 橋下維新の饗宴と今後」(2)

 自民党内は官邸と大阪府連で意見が違っていた。
 大阪府連が猛反対していたのは、選挙で対立しているから。安倍内閣は安保法制の先に憲法改正を見据えているから、3分の2の数は欲しい。党内はいいとしても、党の外で数をまとめてくれる勢力がいるのはありがたい。そのために生かしておこうというのが官邸の狙いだった。3分の2を自民党だけで集められればいいけど、野党にいた方が集めやすいということだってある。与野党のフレームとしては敵対していても、利害一致すれば静観する。よくある構図だよね。
 都構想のメリットが見えないといわれていたが、それにしても、自民党から共産党まで協力して反対する様は異様だった。
 橋下のこれまでのやり方について、嫌悪感を持っている人が多いということもあるだろう。それから個人的な好き嫌いは別にして、橋下に対する人間的な評価として大勢を占めるのは、結局はトップに立つタイプでないということだ。何かを変えるエンジンにはなるけど、自動車のブランドにはなれないということかな。橋下自身、会見でも「自分はワンポイントリリーフ」と言っていた。手法としては抗争型で、争いを作って物事を進めていく。抗争は勝たないとしょうがない。戦っているうちはいいけど、作り上げてトップに落ち着くというタイプじゃない。
 その地域だけじゃなくて、日本全国民が面白がるというのは、ときどきあるよね。田中康夫が長野県知事だったときもそうだった。抗争型ではないけど、エンターテイナーとしてうまくやっていたのは東国原(英夫)だったな。

 二重行政の解消を掲げていたが、その先のビジョンは何だったのか。
 そこまで大きなビジョンは持っていなかったのではないか。周りが期待するから、雪だるま式に存在が大きくなっていっただけで、もともとは大阪府知事をやりたかったのだろう。でも府知事になってみたら、大阪市が大きな予算を持っていて何もできないのがわかった。内部に入ってみて、あまりにひどいもんだから、頭にきてあっちこっちで対決していったのだろう。いつだったか、橋下が連絡してきて「これから労組と徹夜でやり合うんですわ」と言っていたことがあった。
 結局、橋下の最大の致命傷は経済政策が全くダメだったこと。地盤沈下の大阪をどう立て直すかということについて、何の成果もなかった。混乱を起こすだけで、経済的にはもっと悪くなってしまったかもしれない。ただ、大阪は誰がやっても難しいだろう。
 自分の給料も市職員の給料も減らしながら、福祉やサービスもカットするというのはかなりやったと思うけど、どうやって収入を増やすかということについては大したことは何もやっていない。新しいプランもなかったしね。弁護士で経済人じゃないからそういうのは不得手なんだろう(笑)。
 そういう部分がだんだんと見透かされて「この人はオモロイけど何も残らんわ」と皆が思い始めた。「橋下劇場は面白かったけど、腹が減ったなあ」と。

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