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コンピューターゲームの20世紀 第41回『ダライアス』その1

<3画面筐体には度肝を抜かれた>

 まだシューティングゲーム(STG)が主役であった1980年代のゲームセンター。その中でも1986年から88年にかけては数多くの名作STGが排出されており、ゲームセンターの最盛期を作り出している(ゲームセンターの店舗数が最大であったのは1986年である)。買い物システムとパステルカラーのグラフィックで一世を風靡した『ファンタジーゾーン』、体感ゲームの1つの完成形『アフターバーナー㈼』、革新的な機能を多数搭載した『R-TYPE』、縦スクロールにボンバーというトレンドを確立した『究極タイガー』、他を圧倒する完成度でその年の話題を一身に集めた『グラディウスII ゴーファーの野望』などなど、あまりに数が多すぎてここでは紹介しきれないほどである。

 そんな名作の数々の中で、筆者の個人的シューティングゲームランキングにおける不動の1位を記録しているのが、今回紹介する『ダライアス』なのである。このランキングへの異論はさておき、本作が歴史的なSTGであることは間違いなく、そのシリーズは長い間ファンから愛されている。そして、『ダライアス』ブランドは21世紀に入ってからもその人気を維持しており、2010年のAMショーでは各社のアーケードゲームの縮小傾向が顕著な中、『ダライアスバースト アナザークロニクル』のみが高い人気を博しており、プレイ待ちの長蛇の列ができていた。

 本作はそのシリーズの初代にあたる作品で、モニター3画面を連結(正確には左右の2画面はミラーで反射した映像である)した巨大筐体で話題となった。しかも、本作は大型筐体と言えばゲーム性も大雑把である、という当時の常識を覆す優れたゲーム性を持っており、迫力とゲーム性という2つの要素を高い次元で両立させていたのである。また、筐体の椅子の部分に搭載されたボディソニックを活かした素晴らしいサウンドも特筆もの。特にラスボス戦時の曲は今聴いても鳥肌ものである。

 基本的なゲーム性は当時の一般的な横スクロールSTGに準じており、一定の距離を進んだ後にボスが登場し、倒せばそのステージはクリアとなる。自機のパワーアップはショット、ボム、アーム(バリア)にそれぞれ3段階のランクが存在し、さらに各ランク内で8段階のパワーアップが可能である。そのうち、ショットは初期ランクではミサイル、ランクアップするとレーザー、ウェーブへと変化する。しかし、実際にはミサイルのままが最も強く、レーザーは恐ろしく弱い状態となっている。そのため、無理にショットのランクを上げない方が圧倒的に楽にクリア可能。特にレーザーの状態でステージ4のボスであるファッティグラトン(ピラニア)と対峙することは上級者以外には死を意味するほどなのだ。

 ボスは全11体存在し、全て水中の生物がモチーフとなっている。ボスは全体的にかなり巨大で通常のSTGであれば自機の行き場がなくなるほどであるが、3画面分という広いステージのおかげで余裕をもって戦えるスペースがある。この巨大な筐体を最も活かしているのがボス戦だと言えるだろう。ステージ6まではどのゾーンに進んでも共通のボスが登場するが、最終ステージではゾーンごとにボスが異なっている。各ボスを簡単に説明すると

ステージ1(ゾーンA)…キングフォスル(シーラカンス)
頭の上が安全地帯のため、張り付いてボムを落としていれば楽勝。

ステージ2(ゾーンB・C)…エレクトリックファン(イソギンチャク)
順調にパワーアップしていれば後方でショットを連射しているだけでいつの間にか倒せる。

ステージ3(ゾーンD・E・F)…デュアルシェアーズ(アメリカザリガニ)
画面後方に安全地帯があるため、そこでハサミが壊れるまで待ち、その後は露出した弱点にショットを打ち込めばOK。

ステージ4(ゾーンG・H・I・J)…ファッティグラトン(ピラニア)
ショットが3連装ミサイルならば口の手前に陣取れば楽勝。レーザーの場合は相当にアームが溜まっていなければクリアは厳しい。

ステージ5(ゾーンK・L・M・N・O)…キーンベイオネット(カジキ)
上下のヒレを壊し、後はひたすら口を狙う。長期戦は必至(特にレーザーの場合)。

ステージ6(ゾーンP・Q・R・S・T・U)…アイアンハンマー(シュモクザメ)
ボスと上下にすれ違いながらショットを撃ち込む。正面に対峙すると非常に危険。

ステージ7(ゾーンV)…ストロングシェル(ウミガメ)
ラスボスとしては最も弱く、ここまで来たのなら真っ向勝負をしたい。顔に張り付いて実体化と共に猛連射すれば2秒で倒せる。

ステージ7(ゾーンW)…グリーンコロナタス(タツノオトシゴ)
本作最強とも言われるラスボス。三日月のように弧を描く動きで弾をかわすのがコツだが、慣れるまでは一筋縄にはいかない。

ステージ7(ゾーンX)…オクトパス(タコ)
ラスボスとしては比較的弱い。7本の足を個別に破壊していき、最奥の1本はボムを当てる。

ステージ7(ゾーンY)…カトルフィッシュ(イカ)
トータルの耐久力が最も高いボス。10本の足に各30発撃ち込めば破壊可能。全ゾーン中で最も狭いYゾーンを抜けなければ戦えないため、アームが少ない状態で戦うことになる。

ステージ7(ゾーンZ)…グレートシング(マッコウクジラ)
本体に255発当てれば倒せる。わざわざZゾーンを選んで来たのであれば真っ向から勝負したい。やられてしまいミサイル単装になった場合は、頭の上に張り付くのが比較的安全だ。

次回に続く。(須藤浩章)

DATA
発売日…1987年
メーカー…タイトー
ハード…アーケード
TAITO CORPORATION 1986, ALL RIGHTS RESERVED

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