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コンピューターゲームの20世紀 第39回『黄金の城』

<アクションゲームに脱衣要素を取り入れた>

 『黄金の城』は1986年にタイトーから発売されたAC用のアクションゲームである。製作したのは『スーパーリアル麻雀』シリーズで有名なセタ。脱衣麻雀がお家芸であるメーカーだけに、本作にもセタらしいギミックが搭載されている。ゲーム性は横スクロールアクション+対戦格闘ゲームといった具合で、2種類のゲーム性を交互に楽しんでいくことになる。

 操作は1レバー3ボタン。レバーの横方向でキャラの前進後退、縦方向で盾の操作を行う。ボタンは攻撃に使用し、3つのボタンがそれぞれ上段攻撃・中段攻撃・下段攻撃に対応していて、これにより盾での防御とは別個の自由な攻撃が可能だ。この操作方法は1984年に同社から発売された『グレートソードマン』にかなり近いが、こちらもやはりセタの開発である。

 ステージは横スクロール面から始まり、画面右から飛んでくる様々な物体を盾でガード、もしくは剣で攻撃しながら進んでいく。この道中では絶対に破壊されない黄金の盾や、剣も飛来するので必ず取得しておきたい。主人公は全身鎧を着た状態からスタートするが、ダメージを受けると鎧が剥がれ、同じ箇所にダメージを受けると1ミスとなってしまう。また、レバーを高速で上下に振ることによって主人公の前方にバリアを張ることができる。

 横スクロール面が終了すると敵キャラとの1対1での対戦面が始まる。主人公と敵キャラは当時のゲームとしてはかなり大きく、迫力のある対戦が楽しめた。また、対戦面ではスクロールがストップし、固定画面になるため敵との距離がかなり近い。前後への動きはかなり制限されるが、常に敵の攻撃が当たる距離での戦いとなり、緊張感を持ったプレイが要求される。ここでも重要ポイントは盾での防御と上中下段への攻撃の使い分け。敵キャラは一部の飛び道具を使うものを除き、見た目以外はあまり変わらないため、コツを掴めば意外と簡単に最終ステージまで進むことができる。

 この面の大きな特徴としては敵の剣や盾を破壊可能であるということがある。敵の盾に主人公の攻撃を何度も当てれば盾が破壊され、敵の守りが甘くなる。主人公の盾も敵の攻撃を受け続けると破壊されてしまうため、横スクロール面で黄金の盾を取得することは非常に重要なのだ。また、同様に敵の剣に何度も攻撃を当てれば敵の剣が折れる。こうなった場合、驚くことに敵の一切の攻撃が無効になり主人公は完全無敵になってしまう。あとはじっくりと敵を料理すればよい。本作には時間制限という概念がないので、この状態で何時間経とうとも主人公がやられることはないのだ。

 そして、敵キャラも主人公同様に攻撃を受けると鎧が剥がれていくのだが、同じ場所に2度攻撃を当てないようにしていくと、敵を裸(パンツは穿いているが)にすることが可能。筋肉ムキムキの男性キャラを脱がしても面白くはないが、1面の中ボスであるイレーネは女である。彼女を倒してしまわないように丁寧に攻撃を当てていけば、最終的に胸もあらわになった姿を拝むことができるのだ。これは現在と比較するとあまりに稚拙なグラフィックだが、当時の青少年には充分刺激的だったのである。このため、対イレーネ戦は非常に慎重な戦い方が求められ、剣を折り相手を無力化してからじっくりと鎧を剥ぐ作業が行われた。剥がし終わる前に倒してしまった場合などは、非常にくやしい思いをしたものだ。

 このようにアクションゲームと脱衣という一見接点が全くない要素をシステム的に上手く融合した本作は実にセタらしい作品であり、低めの難易度とわずかなエロスで当時の中高生を虜にした名作なのである。ただし、PS2の『タイトーメモリーズ』へ移植の際にはイレーネの乳首が封印されてしまっているのが残念だ。(須藤浩章)

DATA
発売日…1986年
メーカー…タイトー
ハード…アーケード
TAITO CORP. 1986

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