■防御率:藤本英雄(巨人/0.73/1943年)
年代を見ても分かる通り、この昭和記録は2リーグ制採用以前の時代に誕生。また、2リーグ制が採用されてから現在に至るまで、村山実(阪神/0.980/1970年)以外は誰ひとりとして防御率0点台をクリアした選手はいない。
■勝利数:ヴィクトル・スタルヒン(巨人/42勝/1939年)、稲尾和久(西鉄/42勝/1961年)
活躍した年代は異なるものの、共に昭和記録を保持しているこの両者。20勝で大記録とされる現代のプロ野球においては、万が一にも超えることはできないであろう不滅の記録であることはまず間違いない。
■勝率:景浦将(タイガース/1.000/1936秋)、御園生崇男(タイガース/1.000/1937年秋)、間柴茂有(日本ハム/1.000/1981年)
平成では田中将大(楽天1.000/2013年)のみが達成した勝率10割だが、昭和では3人の選手がそれぞれクリア。ちなみに、この3名の勝利数はそれぞれ景浦が「6勝」、御園生が「11勝」、間柴が「15勝」となっている。
■セーブ:郭源治(中日/37S/1988年)
台湾人プレイヤーのパイオニアである郭が、昭和最後のシーズンに樹立したこの記録。セーブはセ・リーグでは1976年、パ・リーグでは1977年から2004年まで救援勝利数を合わせた「セーブポイント(SP)」で記録が算出され、最優秀救援投手として表彰された。この年「7勝」の郭に適用すると「44SP」となる。平成に入り、1998年に佐々木主浩(横浜)が郭を上回る「1勝・45S・46SP」を挙げた。
■ホールドポイント:該当者無し
ホールドポイントが考案されたのは、今から14年前の2005年のこと。当然、昭和を含めてそれ以前は採用されておらず、NPB公式サイトにも記録の詳細は記載されていない。以上の理由から、ここではやむをえず該当者無しとさせてもらった。
■奪三振:江夏豊(阪神/401個/1968年)
往年の名投手として、ファンの間では広く知られている江夏。401個という奪三振数は、勝利数や防御率と同じく今後の更新はほぼ不可能だろう。
文 / 柴田雅人