この軍事システムは、携帯電話・メール・無線・FAXといった通信情報をすべて盗聴し、音声を自動的にテキスト化して、データベースに蓄積する。その蓄積データから、「アルカイダ」「テロ」「革命」「暗殺」といった特定のキーワードを検索し、その不穏な言葉の情報発信者が誰なのか特定できる仕組みを持っていると言われている。
米国内では国家安全保障局(NSA)主体で運営されていると言われ、エシュロンという軍事システムと同じく、国家安全保障局(NSA)の存在そのものが長らく“都市伝説=架空”なのではないかと語られてきた。
この手の噂はインターネットではよく囁かれており、Googleはスパイ企業であり米国政府と連携をとりながら動いており、中国市場から追放されたのはそのスパイ容疑であるとか。FacebookはCIAが個人の監視システムとして考案したもので、各国国民の友人関係や仕事の内容を把握するために”諜報システム”として作られたとか。iPhoneで使用できる一部のアプリの中には、位置情報や使用履歴が本人の知らない場所に転送されているとか。情報サービスに関する都市伝説は枚挙にいとまがない。
筆者も単なる都市伝説ではないかという見解であったが。最近その逆のケース、都市伝説ではなく事実であったということが発生している。数百万人が使う人気アプリによって収集された利用者の位置情報が、米国に本社を構える某広告会社に転送され、広告ビジネスに利用されているケースが判明したり、エシュロン(ECHELON)の脅威が、昨今欧州議会でも話題にされるようになり、架空の団体のはずだった国家安全保障局(NSA)のOBも仕事の内容をカミングアウトし始め、ようやくその存在が認知されるようになってきた。
また、日本でも三沢基地にエシュロン(ECHELON)関連の施設があると噂されてきたが、筆者も含め、あくまで都市伝説に過ぎないと思う者が大部分であった。だがフジテレビの番組内で、青森県の三沢基地にエシュロンの関連施設があると具体的に写真が提示され、池上彰の口から説明がなされたのだ。他にもイギリスではメンウィズ・ヒル、ドイツではバート・アイブリング、アメリカではワシントン州ヤキマにエシュロン(ECHELON)が設置されていると言われている。
監修:山口敏太郎事務所