府中Sは14番人気でアッといわせたが、「こちらも夏がいいのが分かっているから、ローカルでピークになるように仕上げてきた。前走はまだ七、八分のデキだった」と小丸助手。うれしい誤算となったわけだが、それも底力があればこそできる芸当。不良馬場をまったく苦にしなかったのも収穫だった。
休み明けを3戦し、いわばここが本番。陣営の思惑通り状態は上昇一途で、事実上の本追い切りになった先週の1日には坂路で800メートル51秒1→36秒7→11秒9(馬なり)をマークし、3頭併せで最先着する絶好の動きを披露。今週も同52秒4、ラスト1F12秒1(馬なり)を計時し、見守った清水美調教師も「クビをうまく使って、いい感じで走っていたね。カイバも食べているし、ドンドン良くなっている」とデキの良さに太鼓判を押していた。
相手は強化するが、その分、ハンデは54キロと恵まれた。昨年の阿賀野川特別(2着)では、のちに菊花賞を優勝、ジャパンCで5着するオウケンブルースリと0秒4差。3着に下したダイワワイルドボアもセントライト記念を制しており、GIIIなら通用していい下地も十分ある。
「もともと奥手のタイプで、去年より力をつけているのは間違いない。次は新潟記念の予定だし、サマー2000を本気で狙いにいくよ」と同助手。
鞍上の蛯名騎手もラジオNIKKEI賞を制して波に乗っており、頭から勝負といく。