まず、自身で価格を設定し、プレゼン資料の作成やロゴのデザインなど、個人が持つスキルを切り売りできるサイト「ココナラ」が紹介された。ココナラは開始当初、販売価格を一律500円に設定していた。しかし、ニーズや販売者のスキルが高まり、今では最高20万円まで価格設定できるようになった。
ココナラの社長・南章行氏は「個人が自分の名前で働くこと自体が、社会的に止められない流れになっている」と強調。副業や兼業をする人は今後ますます増えると口にした。
「伝わる文章の書き方」や「英会話」など、スキルや経験を教えたい人と教わりたい人をマッチングさせるサイト「ストアカ」も紹介された。ストアカは個人が個人にスキルを教えるもので、習い事教室ほどの堅苦しい雰囲気はない。習い事教室のように月額制でなく、1回の講座ごとに謝礼を支払う点もストアカの魅力のようだ。
ただ、ネットの声は悲観的だった。視聴者はネットに「スキルが無いと生きていけないのか」「人に教えられるスキルなんかねーよ」「会社にしがみつく時代は終わった」などと投稿。自身がスキルを持っていないことを悲観視する意見が目立った。
2017年、株式会社リクルートキャリアは、兼業・副業に対する企業の意識について調査。その結果、「副業や兼業を容認している」と回答したのは約23%だった。
副業や兼業を容認しない企業が7割以上もある現状について、コラムニストの山口博氏は、ダイヤモンド・オンラインの記事「人事部が怯える『副業容認で転職リスク増大』の嘘」の中で「大手企業の人事部長たちと話をする中で得た私の肌感覚としては、やはり副業容認が人材流出を加速する(させる)のではないかと考える人が多い」と話している。
賃金が伸びず、副業や兼業を考えている人は少なくない。企業は副業や兼業を容認する体制を整える必要がありそうだ。