一時期は年間受験者が200人を超える年もあるなど若者が数多く集まっていた新弟子検査。しかし、2005年を最後に、年間受験者数は100人を切り続けている。中でも、今回希望者がゼロとなった7月場所は、ここ3年連続で年6場所中最少の受験者を記録するなど、特に思わしくない状況が続いていた。
2007年7月場所以来、11年ぶり史上2度目に受験者がゼロとなった名古屋場所。今回の一件を受けネット上にはさまざまなコメントが寄せられているのだが、受験者が出なかった要因については人によって3つの説に分かれている。
まず1つ目は「時期的な問題」というもの。前述の報道の中でも触れられているが、7月という時期は、卒業や就職といった節目を控えていない微妙な月だ。新弟子検査のタイミングとしては、どうしても他の場所に比べて良くないことは否定できないだろう。
続く2つ目は「昨今の不祥事の影響」によるものという説。力士、親方の暴行問題や“女人禁制”騒動に愛想を尽かしている人が多いのか、確認する限りではこの説が最も多くの支持を集めている。中には、7月場所のチケットが現時点でも売れ残っていることを絡めて言及する人も見受けられた。
最後の説は「相撲は今の若者にそぐわないから」というもの。前時代的な慣習も少なからず存在する大相撲の世界は、現代の若者には相当厳しい世界に見えるのでは、と考える人もいるようだ。「見るのは好きだけど、やるのはちょっと…」という人も少なくないのかもしれない。
受験者の減少に歯止めがかからなければ、将来的な角界の先細りは避けられない。協会側は早急に対策を打つ必要に迫られていると言えるだろう。
文 / 柴田雅人