今回の解散報道は13日の日刊スポーツとスポーツニッポンで報じられ、翌日発売の週刊新潮にも特集された。ただ、前提として、このスポーツ2紙と週刊新潮では、記事の書き方に大きく隔たりあった。
多少の差はあるものの、スポーツ紙の論調は、独立を企てた担当マネージャーが中居正広ら4人を誘いクーデターのような事態となった、しかし、結局、どうにもならなくなった中居らは唯一、ジャニーズ事務所へ残ることを決めた木村拓哉や副社長であるメリー喜多川氏に謝罪して、許しを請うしかない状況だというもの。その後も、あきらかに事務所側からのリークとも思われる、「○○が電話している」などの情報があふれている。
一方の週刊新潮などは、そもそも、メリー喜多川氏から担当マネージャーに対してパワハラがあり、それに我慢ができなくなった担当マネージャーが独立を決意、中居ら4人はジャニーズ事務所を離れ、恩義のある“育ての親”についていこうとするも、木村だけが事務所へ残る決断をしたため、混迷している状況だというもの。週刊新潮の見方であれば、そもそも、謝罪するのは中居らではなく、メリー喜多川氏こそがこれまでのパワハラを懺悔すべきだとなるだろう。
世間では、どちらかと言えば、週刊新潮の見方に同調しているようだ。ネット上では、メリー喜多川氏へのバッシングも多い。
そんな中、もっとも世論への影響が高いテレビ報道はどうなのか。多くの情報番組では、スポーツ紙を並べて、読み上げるだけで、独自の論調は皆無。せいぜい、司会者やコメンテーターが、「解散して欲しくない」「SMAPは特別なグループ」と、まったく主張にもならないような感情論でお茶を濁している。そんなことは視聴者は百も承知であり、わざわざまっとうな意見のように言われなくともわかっていることだ。ただ、結局は新聞報道を読み上げているだけなので、結果として、ジャニーズ事務所寄りの論調になっている。
「多くの番組でジャニーズ事務所から協力されているテレビ局の本音としては、とりあえず波風を立てたくない。注目度が高いニュースですので、一応は長い時間、取り上げなければならない。その結果がこの“スポーツ紙朗読報道”になっているのです」(テレビ局関係者)
低視聴率が続くテレビ業界において、安定した人気を誇るジャニーズのタレントたちは必要な存在。そのためジャニーズ事務所と関係が深く、今後の付き合いも考えるテレビ局として、スポーツ紙を“朗読”するだけが精いっぱいであるようだ。しかし、さらに奥には、こんな本音もあると、テレビ局関係者は語ってくれた。
「とりあえず、ジャニーズは規制が多すぎる。他の事務所に比べ異常なほど多い。人気があるだけに番組で使いますが、とりあえず“面倒”というのが本音。しかし、今回の事態がもし、長期化して、さらにジャニーズの分裂までの騒動となれば、ジャニーズの力は衰え、これまでのように面倒な注文は突っぱねることもできるだろう。本当の理想はそこですね」
関係を悪くしたくないという“建て前”と、今回の騒動をきっかけに弱体化して欲しいという“本音”。テレビ局の“スポーツ紙朗読報道”の裏にはそんな事情があるようだ。