これが勢いの証しだろう。変則日程が続き、調整が難しい年末年始も難なく乗り越えた。アドマイヤジュピタが、素晴らしい状態に仕上がった。
「前走からしばらく間隔はあいたけど、年末に有馬記念を使おうと思っていたぐらいだからね。休みなく乗り込んできたし、12月初めからピッチを上げて暮れにもしっかり時計を出している」
友道師は自信満々にうなずいた。
その前走・AR共和国杯が強かった。道中は堂々と3番手を追走。直線も力強い末脚で昨春の天皇賞3着馬トウカイトリックをきっちり退けた。1000万特別を勝ったばかりの格上挑戦とは思えない横綱相撲で、重賞初制覇を達成した。
「具合がすごく良かったし、引っ掛からないので長い距離も合った。それにしても、あそこまで強いレースをするとは」次の狙いは日経新春杯にロックオン。GII連覇に照準を定めた。
10日に栗東坂路で行われた1週前追い切りは計時エラーだったが、「だいたい53秒ぐらい。動き、雰囲気ともに良かった。あとは最終追いを単走でやれば十分でしょう。万全じゃないかな」と文句なしの調整過程をたどってきた。
3歳時の3月にゆきやなぎ賞を快勝。ダービーへ向け、さあこれからという矢先に長い休養に入った。その期間は1年5カ月に及んだ。だが、復帰後はそのウッ憤を晴らすかのように、<3100>の好成績で重賞ウイナーの仲間入りを果たした。
「もともと3歳時にはクラシックを意識していた。体質面で何の不安もなくなったし、息の長い末脚を使えるのは大きな強みになる。今年はこの馬の活躍を本当に楽しみにしているんだ」
遅れてきた大物。春の天皇賞まで一気に突っ走り、激戦の古馬GI戦線の一角に食い込めるか。ここは今後を占う大事な一戦になりそうだ。