この日、吉田道場の門をたたいた五味。吉田をはじめ吉田道場の面々とともに汗を流した。報道陣の前では約30kgの体重差がある吉田と打撃、グラウンドのスパーリングを披露。「小、中、高校から憧れだった」という金メダリストに直接に触れ、五味は「同じマットに立てて光栄」と感激しきりだった。
階級差もあるため、直接的に触れ合う時間はさほど多くはなく「実績のある選手だし、特に何か教えるということはない」(吉田)というが、五味自身が「いい練習、刺激になった」と言うように、正味2時間ほどのトレーニングは実りの多い時間となったようだ。
実際、五味はかなり熱心に吉田道場式トレーニングをこなしていたという。同道場の関係者は「吉田はああ言ってましたが、お互いに技術なり、何なりの交換はあったと思います」と証言。五味はこれまで培ってきたレスリングやボクシングの技術に加え、柔道仕込みの技術を習得したようだ。
強打で鳴らすラドウィックを相手に「打ち合うか?そこで負けなければ、他に負ける要素はない」とキッパリ語るなど、吉田との交流で何かをつかんだのか、勝利への手応えを口にした五味。昨年4月以来のリング復帰で新たなスタイルを見せそうだ。