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インド熱波は他人事ではない! 火山噴火が追い打ちをかける灼熱地獄がやって来る

 5月29日午前、鹿児島県の口永良部島の新岳で爆発的な噴火が発生し、噴煙は9000メートル以上の高さにまで上昇。火砕流も新岳の南西側から北西側にかけて流れ下り、島にいた住民など137人全員が屋久島に避難する事態となった。
 「九州は口永良部島の他にも、阿蘇、桜島、霧島と活発に活動している火山がある。特に桜島は、マグマ溜まりのマグマが桜島直下に流れ込み、今も山体が膨張しています。4、5年先に大爆発すると予測している専門家もいる。そうなれば、溶岩流も心配ですが、降灰による鹿児島市内のライフラインへのダメージが懸念されます」(地元記者)

 日本各地の活火山が活動を始める中、人口密集地に近い神奈川県の箱根山も、5月31日は夕方までに火山性地震が130回以上発生し、依然として予断を許さない状況だ。
 箱根山は約7万年前の噴火で火砕流が横浜を襲った事がわかっており、火山灰が横浜や東京にまで降り積もる可能性は十分に考えられる。
 防災ジャーナリストの渡辺実氏が言う。
 「火山対策は防塵対策に尽きるのです。降灰による被害は、呼吸器障害など人体に影響を及ぼし、さらに下水道が詰まり溢れ出し、電気や水道などのライフラインが止まる。加えて交通機関のマヒ、電子機器の障害、インターネットの不通なども考えられます」

 しかし、降灰で最も脅威なのは、東京から神奈川の湾岸などにある火力発電所が停止することだという。
 「たとえば富士山が噴火すれば、その1時間半後には発電所が止まってしまう。電力を供給する大元がダメージを受けるわけですから、電子機器が云々どころではありません。しかも、タービンのフィルターは各発電所ごとにスペアが無いため、交換が非常に厄介なのです」(同)

 降灰による電力停止が夏場に起きた場合は、さらに最悪の事態を招く。
 「インドでは数週間にわたり50℃近い気温が続き、2000人以上の死者を出す熱波が襲った。温暖化が原因とされる異常気象が地球規模で起きている今、5月で暑さによる記録を連発している日本も、他人事ではありません。猛暑の上にエアコン等の空調がダウンすれば、熱中症による死亡者が続出するでしょう」(サイエンスライター)

 巨大噴火は想像以上の二次被害を生むのだ。

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