番組の後半では、「ゴミ屋敷問題」を取り上げ、行政代執行が行われた際のVTRなどが放送された。ゲスト出演した徳光和夫は、“近隣のコミュニケーション不足”も1つの原因ではないか? と指摘。たけしも「隣の家の倅が、俺ん家に来て、飯食っているとかよくあったけどね」と過去のエピソードを語り、以前は近隣同士の結びつきや助け合いが強かったと語った。
そして、話題は芸能界の人間関係について発展。
たけしは「芸能界もね、師匠と弟子の関係がなくなってきて、お笑い学校がメインになった時に先輩後輩の区別がつかなくなって、失礼な若手がいっぱい出てきているワケ」とお笑い業界内の規律やしきたりが変化していると説明。
そして「我々は先輩後輩で育てられてきているワケだから、どんな売れていない先輩でも敬語を使ってお茶ぐらい出すっていうのが常識だったのに、今は自分でお金払って学校出たんだから、先輩も後輩も売れたもん勝ちじゃないか」と現在のお笑い業界のヒエラルキーを疑問視した。
最後に「挨拶はしねぇわ、何やら、どうなってんだって思うよね」と表情を歪めながら首を傾げ、公開叱責。ただ、「そういう時代になってきたから、本当に世知辛いですよ」と納得していないながらも現在の状況を受け入れていることを明かした。
現在、お笑い業界では各事務所が養成所を運営しているケースが多く、もはやスタンダードとして定着している。たけしらの“お笑い第二世代”までは師匠・弟子という師弟関係を結ぶシステムが残っていたが、“お笑い第三世代”、特にダウンタウンの出現が、その“師弟関係”の衰退化に拍車をかけたとされている。
ダウンタウンは、吉本興業が運営するお笑い専門学校・通称NSCの第一期生。彼らは師匠・弟子という関係を結ばず、大ブレイクを果たしたパイオニアである。ダウンタウン以降の芸人は、“目指せダウンタウン”を使命に続々とNSCに入学。その影響もあり、“お笑い第三世代”以降は師匠・弟子という関係性を構築していない芸人が大多数で、厳格な上下関係も昔に比べると希薄になっている。
ただ、一部の芸人の中では師弟関係を結ぶケースもあり、また落語家や伝統芸能などは、いまだ師弟関係制度が継承されている。