究極の切れ味を発揮してみせる。短距離王襲名を目指すスズカフェニックスが2つ目のGIを視界にとらえた。
「いつも1度使うと反応が良くなるタイプだからね。その通り、前走を叩いてだんだん良くなってきた。気持ちが充実してきて、やる気がありすぎるぐらいですよ」と橋田師は小さな笑みを浮かべた。
前走の京王杯SCは3着。勝ったスーパーホーネットを捕まえることはできなかったが、鋭い末脚で力を示した。休み明け、先に目標を置いた仕上げとすれば上々の内容だろう。
「うちの馬もよく伸びているんだけどね。前の馬も上がりが速かった」と師は振り返った。あれから東京は週末に雨ばかり。芝コースはかなり荒れてきており、前走時より大外一気を決めやすい状況が整っている。
「あとは流れがどうか。最近のGIはスムーズではない競馬が多い。そのあたりが気になるけど、不利のない競馬ができればいい勝負になると思っている」
降着はなかったものの池添騎手が騎乗停止になったオークスをはじめ、確かに審議ランプのつくGIが目立っているが、そこは鞍上に一番うまい武豊を確保した。まともなら力は一番。橋田師の横顔からはその思いがひしひしと伝わってきた。
【最終追いVTR】前半から抜群の行きっぷりで坂路をグイグイ駆け上がった。ラスト1Fを迎えてから、さらに力強さが増して最後は迫力満点にフィニッシュ。絶好調だ。