「本当に悔しい」。苦汁をなめたガーネットS(6着)を振り返り、出川克師は唇をかみ締めた。
「たとえレース結果はかわらなくても、なぜ審議にすらならなかったのか。あんなに納得のいかないレースはないよね」 進路を塞がれた石崎駿騎手がベルモントサンダーの手綱をあわてて引く姿がトレーナーの目には焼きついていた。
「それでもよく3馬身差まで詰めてきた。実力を出し切れなかった分をここで晴らしたいね」
消化不良に終わった2008年初戦のウッ憤を晴らすのは早ければ早いほどいい。
8日、船橋競馬場(右回り・稍重)で行われた最終追い切りは単走で半マイル48秒7、終い1Fは11秒6をほぼ馬なりのまま計時。スピード感あふれる動きで絶好調をアピールした。
手綱を取った石崎駿騎手も「間隔をあけると良くなるね。前走の不利は大きかったけど、状態としては今回の方が上かもしれない。この状態でいければ勝てるよ」と、早くもV宣言が飛び出すほどの抜群の手応えだ。
「出遅れ癖があるからスタートがカギだけど、追い切りの動きは絶好調すぎてピークがここじゃないかと心配になるぐらい完ぺき。短距離なら負けちゃいけないと思っているよ」
一点の曇りもない愛馬の輝く馬体を前に、師は最後のひと言に力を込めた。