「子供の頃から、他の子と比べて髪が薄かったんですよね…」
薄毛の悩みは男性だけの問題ではない。近年は女性もまた薄毛の状態が深刻化しているという。特にキャバ嬢は髪を染めたり、ゴージャスさを出すため髪の毛を引っ張った状態から、そのまま盛るため頭皮へのダメージは大きい。美羽もまたそんな髪型を続けるうち、地肌にスプレーやワックスが残り、頭皮の毛穴が塞がれることで抜け毛が多くなっていった。
「元々、薄かった髪がさらに少なくなったような気がして。でも私もキャバ嬢になったからには、派手な髪型をしたいと、思い切ってやっていたんですよね。今となっては後悔しています」
髪への深刻なダメージに気付いた美羽は、いつからか出勤時は、盛り髪でない黒髪のストレートで接客することにした。すると他の嬢とは見た目のタイプが違うため、逆に目立つこととなり新規の客を獲得できたこともあったという。しかし、薄くなった髪は増えることがなかった。
「やはり不規則な生活が響いていたのだと思います。22時から深夜2時までに眠らないと成長ホルモンが出ないみたいなので、夜の仕事は辞めたほうがいいと判断したんです」
昼は学校に通い、夜はキャバクラで働いていた美羽にとって、髪に大敵な睡眠不足が常に付きまとった。そして将来的に、髪の量への不安を感じた彼女は夜の世界を棄てた。
「キャバを辞めてからは早い時間に布団に入るようにしています。他にもヘッドマッサージに通ったり、髪に良いシャンプーを海外から取り寄せて、現在は増毛に奮闘中です(笑)」
ワックスやブリーチなどを使ったことへの頭皮ダメージだけでなく、接客のストレスなどから薄毛に悩むキャバ嬢は意外に多いようだ。それを解消するためにも頭皮の血行をよくするヘッドマッサージなどでケアすることが大切だという。
(文・佐々木栄蔵)