中堅ゼネコンの現場監督だった成瀬誠一郎(江口洋介)は、国内や世界中のトンネル工事にかかわった経験を買われ、恩師の武市幹城(岸部一徳)の勧めで新宮小学校の民間人校長に赴任。しかしそこでは教務主任の桐原伊織(西島秀俊)をはじめとした教師たちが、保護者にビクビクしながら閉鎖的な教育を行っていた。ある時若手の教師・大橋仁(塚本高史)が受け持つ5年生のクラスに授業ボイコットが起こり…。
なぜ、いじめは無くならないの? 給食費を払えない子は給食を食べちゃいけないの? 子供が恋しちゃいけないの? そんな素朴な疑問に次々答えを出す成瀬。江口洋介はいつもどおり爽やかなだけで、特に演技が冴えてるわけではないのだけれど、ものすごく芸達者な子役たちによって、内容はより深刻に。とくに授業ボイコットやいじめのボスである女子生徒役の女の子が凄い。第一回のいじめから第四回の教師の不登校まで、この子が全部絡んでくる。最後に成瀬によってどう心を入れ替えさせられるか楽しみだけど、普段は素直な子だと信じたいわ。
クラスが学級崩壊になり、心がポキンと折れてしまった大橋先生の塚本、冷たい態度をとりながら実は成瀬に昔の自分を見る桐原の西島、恩師の武市の孫娘で成瀬の下宿先として同居する新米教師の武市かの子(北乃きい)など、主役級のキャストが脇を盛り上げ、大人も飽きさせないドラマ。子供社会は人間社会の縮図。大人こそ見た方がいいかも。それにしても事あるごとにゼネコンの仕事が素晴らしいと公言する成瀬。そりゃ現場での臨機応変な処置は大事だけど、ゼネコンは不正入札とか天下りとかで学校よりよっぽど黒い。あんまり美化しちゃダメよ。(チャッピー)