−−はじめてのダーティーヒロイン、演じることになった時、何を思いましたか。
吉本 自分がこの役とどう向き合っていけばいいのかという不安がありました。ただ、撮影前に1か月間、お稽古をして、カメラで確認しながら監督と話をさせて頂く中で、私が演じた“木場咲”の人物像というのを作ることができたのではないかなと思います。
−−演じる上で、監督からのアドバイスはありましたか?
私はお芝居は楽しんでこそだと思っています。そこで、「どうやって楽しめばいいですか?」と監督に質問したら、「手の上で大人までも転がしてしまう子なので、相手が精神的に傷つく様を楽しんで」と言われまして(笑)、そこから、「じゃあ、相手はどうやったら心に傷を負うのか」と考えるようになって、そこを楽しむようにしました。
−−シーンの中では、内野聖陽さんに掴まれたり、殴られたりすることもありました。実際に現場での内野さんとの雰囲気は?
お芝居以外ではお話をしなかったです。私は、「話したいなあ」と思ったりもしたのですが、あえて内野さんがそうして下さいました。話さないことで、作品がよりよいものになったのだと思っています。
−−演じたのは同世代の女子高生です。作品の世界は身近なものと感じましたか、それとも違和感がありましたか?
幸せなことに最初はぴんとこなかったです(笑)。今まで、私もクラスの中で、盛り上げる人がいて、おとなしい人がいてと、それぞれ個性があったことはもちろんですが、「スクールカースト」のようなイメージは、映画やドラマの世界だと思っていました。ただ、他の女性と話していると、「わかる!」という意見も聞くこともあったので、実際にもありえる世界なんだとも思います。
−−もし、今回演じた木場咲のような子がクラスにいたら、吉本さんとしてはどんな距離感で接しますか?
話をする相手も選ぶような木場咲ですので、より近い存在であれば、居場所を見つけるために、くっついているかもしれません。少し距離があるならば、憧れの対象として見てしまうかもしれません。
−−最後に映画「罪の余白」をどんな方に見て欲しいと思いますか?
私は作品を作っていく中で、「誰か一人でもいいから、何かの助けになればいいな」と願っています。この作品を観て、何かを感じて頂ければと思います。あと、実は私自身もまだ作品を客観的に見ることができていませんので、ぜひ観られた方の感想も聞かせて頂ければなと思います。