LLPW-Xにとっておよそ3年ぶりとなる東京・赤坂BLITS大会には、アイドル、お笑い芸人、ビジュアル系バンド、パラリンピックのメダリストなど、さまざまなジャンルのエンターテインメントが集結。チケットは完売し、当日券を求めた来場者が入れなくなるほど大盛況だ。
そんななか、『第13回全日本国民的美少女コンテスト』のファイナリスト21名によって結成されたX21が登場。1stアルバム『少女X』のジャケットになっているお揃いの清楚な黒いワンピースに身を包んで、リード曲の『少女X』、『恋する夏!』、『チャイム鳴ったら…』を熱唱した。16歳の籠谷(こもり)さくらは、「プロレスが大好きで、リングに上がるのが夢でした。将来は神取さんと戦いたい!」と、自身をおおいにアピールした。
さらに、リング上では、井上貴子がプロデュースするファッションブランド“cacatocacat”のファッションショーも開催。こちらには、ホワイトベースのツーピースに身を包んだSKE48・梅本まどかが、モデルとして参加。ランウェイならぬ花道を歩き、ステージならぬリングでポージングを決めると、「こういうのなかなか着れないんで、うれしいです!」とはしゃいだ。
そんな梅本を貴子が、「これからLLPW-Xがイベントやるたびに、レギュラーで来て」とスカウト。「いいんですかぁ?」と喜び、今後も梅本が、“神取プロレス”の1員に加わる可能性が高まった。そのファッションショーには、神取、貴子もモデルとして参加。イベントラストは、プロレスの試合でしっかり締めた。
神取といえば、親しみやすいキャラクターと抜群のネームバリューで、タレント活動も成功させた数少ない現役女子プロレスラーのひとり。政治家、社会貢献の経験もあり、道なきところに道を創ってきた先駆者だ。そんな神取が現在、意欲的になっているのが、女性アイドルとのジョイント。
昨年10月、自身の誕生50周年を祝うビッグイベント(両国国技館)には、まだオリコンヒットチャートランキングで1位を獲得する前の仮面女子を、リングに上げている。さらに先月には、ももいろクローバーZのトークイベントに、元悪役レスラーのブル中野と一緒に招かれ、女子プロの魅力を伝えている。
「彼女たちには、気合いの入った元気がある。時代を創っていこうという強さもある。それは、うちが今抱えているアイドルレスラーの“ブリバト”に見習ってほしいところ。時代時代に合わせて、いいものはどんどん取り入れていかないといけないからね、これからもアイドルからはいい刺激を受けたい」(神取)。
LLPW-Xの今後の予定は未定だが、「うちはいきなりドカン! とやるから、いきなり出すよ。頭には、ある」と、水面下で進行中のイベントはあるようだ。想像を創造に変えてきた革命児・神取。国民的アイドルグループ2連弾、最強の地下アイドル、美少女軍団に続き、次に着手するのはいったい誰だ…。(伊藤雅奈子)