父のステイゴールドも母父のメジロマックイーンも典型的な大器晩成型だった。その血を色濃く引くドリームジャーニーも5歳を迎え、いよいよ充実期に入ったようだ。
その予兆が見えたのは前走の有馬記念だ。2500メートルの長丁場に一抹の不安がありながら、直線はしぶとい末脚を繰り出し、4着に食い込んだ。
「プラス10キロだったけど、体に張りがあって状態は本当に良かった。充実している証拠でしょう。大外をマクる予定だったのに、エアシェイディにブロックされるなど、ゴチャつきながらよく伸びてきた。収穫の多いレースでした」と若きリーディングトレーナー、池江寿調教師は振り返った。
その後はいつものような短期放牧を挟まず、栗東で調整された。それも心配された激走の反動が出なかったからのが最大の理由である。
「以前は中3週でなんて使えなかった。ようやく心身ともにたくましくなってきた。乗り込みは順調で、最終追いにジョッキーが乗ってくれればきっちり仕上がる」と自信を持っている。
中山は朝日杯FSも勝っている最も得意な舞台だ。これだけデキも良ければ譲れないところだろう。
「左回りはモタれたりスムーズさを欠くけど、右回りは力を出せる。前走でいくらか行きたがっていたから距離短縮もプラスになるはず。昨年はGIII止まりだっただけに、まずはGIIを獲りたい」
ここを足がかりに、2つめのGIを目指す。
【最終追いVTR】池添騎手を背に、DWで追われた。スタートから馬任せのケイコとなったが、直線入り口を迎えるとハミをガッチリ取って自ら鞍上を引っ張っていった。ラスト1Fは馬なりながらシャープに脚を伸ばし、12秒4をマーク。抜群の気合乗りを見せた。