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全日本仏教界vsアマゾン「お坊さん便」サービスを巡る全面抗争(1)

 格安葬儀のサービス会社『みんれび』(東京都新宿区)が運営する「お坊さん便」が大手ネット通販の『アマゾンジャパン』で商品販売され話題になったのは昨年暮れ。スタートから1カ月たったが、これに仏教会が猛反発し思わぬ波紋を引き起こしつつある。

 「お坊さん便」とは、49日や一周忌といった法事の際、読経などを行う僧侶手配サービス。自宅など一箇所での法要は3万5000円、自宅や墓地など2箇所で法要を行う場合は4万5000円、戒名授与は2万円〜。僧侶の紹介・手配手数料は無料で、車代、心づけは一切不要だ。
 「消費者連盟などが調査した葬儀費用は、全国平均で約190万円、最高額では1000万円を超えるものもある。そのうち僧侶の読経料や戒名料などは平均約55万円前後。お布施は一般的には僧侶サイドの言い値が多い。一方、『お坊さん便』の場合はネットでワンクリック注文、支払いはクレジットカード利用もOKで明朗会計となっています」(葬儀関係者)

 運営する『みんれび』の広報担当者は、「お坊さん便」の発足理由と今回『アマゾン』での販売後の反応についてこう語る。
 「『お坊さん便』自体は2013年から始めました。葬儀は以前から行っていましたが、僧侶の手配を頼まれるケースも多くなり、菩提寺がない、遠くて交通費諸々含めると行けないのでどうしたらいいか、さらには僧侶側の寺院維持費が大変だという悩みに応え発足したのです。ベースの3万5000円は、双方の声を聞き設定した価格です」

 加えて『アマゾン』でのサービス販売の反応については、こう明かす。
 「詳しい増加率は申し上げられないが、自社のHPのみより約5倍近い反応があります。'13年から'15年の3年かけて僧侶登録は400人。しかし『アマゾン』で販売開始してからは1カ月で100人近い僧侶から問い合わせをいただきました」

 しかし、このやり方に日本の主だった59宗派組織からなる全日本仏教会が12月24日、齋藤明聖理事長談話を出し反発。その一部抜粋部分はこのようなものだ。
 《宗教行為としてあるお布施を営利企業が定額表示することに一貫して反対してきました。お布施は、サービスの対価ではありません。同様に戒名、法名も商品ではないのです。今回の「アマゾンのお坊さん便 僧侶手配サービス」の販売は、まさしく宗教行為をサービスとして商品にしているものであり、およそ諸外国の宗教事情をみても、このようなことを許している国はありません。そういう意味で、世界的な規模で事業を展開するアマゾンの、宗教に対する姿勢に疑問と失望を禁じ得ません。しっかりと対応していきたいと考えます》

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