11月25日の昼すぎ、兵庫県尼崎市の阪神高速神戸線でポルシェが暴走し、運送会社のトラックに追突。トラックの運転手(70)を死亡させたのだ。
東名高速のあおり運転死亡事故裁判で懲役18年という判決が下ったばかりのことだ。
ポルシェを運転していたのは、芦屋市に住む開業医・久保田秀哉容疑者(50=自動車運転処罰法違反などの疑いで逮捕)だった。
「久保田は昨年3月、スピード違反などの交通違反を繰り返し、免許取消処分を受けていた。取り調べでは『70キロ前後で走行していた』ととぼけ、それ以外は『弁護士にしか話しません』と黙秘の姿勢を見せた。しかし、阪神高速に設置されているカメラ、周囲を走行していた車のドライブレコーダー、ポルシェやトラックの損傷具合から、制限速度60キロを大幅に超える200キロ前後で走行していたことを特定した」(捜査関係者)
事故の直前、久保田容疑者のポルシェが、BMWとカーチェイスのような状態でスピードを競っていたという目撃証言もあり、東名あおり事件と同様の悪質性が指摘されている。
「ただ、クズ中のクズだった東名の石橋和歩被告とは違い、久保田は超のつくエリート。東大の理科Ⅰ類から大阪大学医学部へ学士入学した秀才で、阪大付属病院で研修医を勤め、東大阪市立病院、西大阪病院など複数の大病院を経て、今年8月に大阪市でクリニックを開業しています」(全国紙記者)
祖父も東京帝国大学理学部出身で、我が国を代表する化学メーカーの副社長や相談役を務め、原子力委員会専門委員を務めたことでも知られる名士だった。
「名門の家系に生まれ、自身もエリートでしたが、自分の頭のよさをひけらかすタイプで、患者にも横柄な態度をとっていたようです。そんな性格が災いし、友だちもほとんどおらず、いまだに独身。芦屋で父親と兄の3人暮らしだったそうですから、淋しさやストレスをスピードで紛らわせていたのかもしれません」(同)
久保田容疑者が開業していたクリニックは2018年8月に新設したばかりの心療内科『夢の絆クリニック』。病院名の「夢の絆」とは全くかけ離れた容疑者の凶器と狂気の行動だった。