しかし、ここに来て大阪南港の舞洲人工島で進められている「舞洲スポーツアイランド構想」が、大きな動きを見せている。'13年に練習拠点を舞洲に移転したJリーグの「セレッソ大阪」に加え、今年4月からはプロ・バスケットボールの「大阪エヴェッサ」が舞洲アリーナに、さらに来年には「オリックス・バファローズ」の二軍が移転する。
「舞洲スポーツアイランド構想」は、大阪五輪誘致に向けて計画され、開催の際にはメーンプロジェクトになるはずだった。その後、誘致は失敗し、計画もペースダウン。しかし、セレッソなどの3チームが移転を表明したことでムードは一転。吉村洋文大阪市長も、湾岸エリア活性化の象徴として期待を寄せる。
「3チームが集まることで相乗効果が期待でき、残りの部分の開発にも弾みが付きます。これで夢洲にカジノを誘致し、USJや海遊館の北港エリアと今以上の連携ができれば、湾岸はこれからの大阪の中心になりますよ」(おおさか維新の会の某市会議員)
お荷物転じて希望の星のようになりつつある舞洲。だが、実情を見れば喜ぶのは早そうだ。
「3チームが集まっても交通アクセスの悪さは相変わらず。それも二軍や練習場が中心ですから、阪神タイガースでも移転しない限り、今以上の賑わいは期待できないと思います」
とは、あるスポーツライター。交通アクセスの悪さは、そのまま治安の悪さにも繋がっているようだ。
「神戸の空港島もそうですが、広大な土地が空いたままになっていると、どうしても雰囲気が悪くなる。違法なモノの取り引きや外国人犯罪の摘発時には、今も真っ先に名前が挙がります。舞洲には以前、風俗特区、外国人特区のアイデアもあったように聞いている。吉村市長はスポーツとは別の利用法を真剣に考えてはどうでしょう」(舞洲勤務の大阪市職員)
果たして、湾岸エリア活性化なるか。