インド南西部に位置するケララ州のコーチン国際空港から日本に出国しようとしていた21歳と24歳の男の手荷物からX線検査によりハサミが発見され、念のために税関職員が全ての荷物を開けて調べ始めた。
「すると、プラスチックの箱から生きたままの爬虫類や昆虫が次々に見つかり、その中には希少動物も含まれていたため、2人はインドの野生動物保護法、生物多様性法違反などの容疑で逮捕されたのです。保護されたのは、ヘビやサソリ、トカゲ、カメレオン、クモ、カブトムシ、ミミズなど約20種で、ワシントン条約違反となる種も含まれていました」(現地特派記者)
特に現地の税関職員や自然保護関係者を驚かせたのがヘビ。2人が所持していたのはラッセルクサリヘビという種類で、インドではコブラ、アマガサヘビ、カーペットバイパーと並ぶ“四大毒ヘビ”の一つ。噛まれると「強烈な痛みに襲われてもがき苦しんだ末、死に至る」(動物専門誌記者)という猛毒を持つ恐ろしいヘビだったのだ。
青年2人は「法律を知らなかった」と密輸目的を否定する一方で、自分たちを「野生動物研究者」だと申告。持ち出しは「日本で入手困難な種類なので研究用と家族でペットにするつもりだった」と主張しているという。
ケララ警察では、この2人をジャングルに連行し、捕獲した生物を自然に返した上で取り調べを続けているというが、「アマゾンでも同様なことをしていたようで、グーグルで希少動物がケララにいることを調べた上で旅行者として入国しジャングルで採取していたようだ。素人の単なる出来心とは思えない」(森林警備隊長)とみており、厳しい追及が待ち構えていそうだ。
「今年2月には、タイからカメ110匹、ヘビ21匹などを違法に密輸しようとした40代の日本人2人が逮捕されるなど、日本人による希少動物の密輸事件が続いている。そのため、日本国内に闇業者のネットワークが存在している可能性も指摘されており、タイやインドなどからは日本の税関、警察当局による本格的な捜査が期待されています」(前出・現地特派記者)
隣近所で飼われていたらたまらない。